【進学校の横比較】女子・共学最上位編(桜蔭・女子学院・豊島岡+渋幕・渋渋)

学校比較 〜桜蔭x女子学院x豊島岡x渋幕x渋渋〜 学校の横比較シリーズ
更新情報
  • 2023.9.28 進学実績を3年平均に変更(2021〜2023年)
  • 2022.11.26 初版投稿(2022年実績ベース)

同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画です。

大学合格実績や教育内容、入試情報などを深掘りし、グラフ化するなど見やすくして横比較していきます。こんな感じでシリーズ化しています。

基本的には学校のWebサイトを中心とした公開情報をまとめたもので、表に出てこないような裏話ではなく、複数の学校を横比較することで見えてくるものを発見するという感じです。

こんな方におすすめ
  • 志望校や併願校をまだ絞り込めていない
  • 東大ランキング以外の進学実績を見てみたい
  • 教育内容・環境を横並びで比較してみたい
  • 単純に国私立の中学・高校に興味がある

記事全体の構成は次の通りです。

記事の全体構成

  1. 大学合格実績の比較[ページ1
  2. 教育内容の比較[ページ2
  3. 入試の比較[ページ3
  4. まとめ[ページ3

*ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。

データの羅列だけではつまらないのでそれぞれ簡単にコメントを入れていきます。極力第三者的な視点で書くつもりではありますが、それでも好みや主観は入ってしまうと思うのでそこは割り引いて見ていただければと思います。

今回は女子の最難関を取り上げます。

大学合格実績で見ると桜蔭1校だけが突出しているのでどう取り出すか迷いましたが、最終的に四谷大塚偏差値で70を超えているところを基準にしました。

で、桜蔭・女子学院・豊島岡の女子校3校を挙げたのですが、女子の場合は共学校も選択肢として割と大きな存在になっていると感じるので、渋谷教育学園幕張(渋幕)・渋谷教育学園渋谷(渋渋)も一緒に取り上げようと思います。

2022年のサピックス偏差値では渋幕も渋渋も今や桜蔭(62)以上になっていて、女子最上位層が選ぶ学校としては無視できない存在に見えます。女子編だけで取り上げるのもどうかと思ったのですが、共学校編というのは色んな軸があってちょっと一括りにできない感じがしたのでこちらに入れることにしました。

一応男子編でも合格実績だけは比較対象として出したので、この記事と合わせてご覧いただければと思います。

ただし共学校の合格実績は男女合わせた数字になるので、完全にフラットな比較ではない点だけお気を付けください。

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1. 大学合格実績の比較

大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。また並び順は、東京一工医(東大・京大・一橋大・東工大と国公立医学部)の黄色ラインを基準にしています。

国公立大学現役合格者割合(2021〜2023年)

国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を合格率として集計します。

(画像タップで拡大します)
一工:一橋大+東工大、旧帝大:北海道大+東北大+名古屋大+大阪大+九州大
*合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*桜蔭の全データ、女子学院・豊島岡・渋幕の医学部データは進学情報誌さぴあより
*重複カウントを避けるため、旧帝大には東大・京大、医学部には東大理Ⅲと京大医学部、旧帝大と他国公立には医学部の数字を含みません
*桜蔭の他国公立大学はデータがないため反映されていません(私立・浪人に含まれます)
*渋幕の旧帝大には名古屋大・九州大は含まれません(他国公立に含まれます)

一見して分かる通り桜蔭が頭ひとつ抜けている感じです。共学最難関といわれる渋幕・渋渋よりもだいぶ上で、もはや男子最上位の3校(筑駒・開成・聖光学院)と比較した方が良い感じになっています。

桜蔭以外は東京一工医で大体20〜30%の間ということで、そこまで学校間の差はないように見えます。その中で、女子学院は東大が多め、豊島岡は医学部が多めという方向性の違いは割と明確に出ている感じがします。

渋渋・渋幕の2校は男女混ざった数字なので女子の実績というのは分かりませんが、一般的に男子校の方が国公立の数字が多いことを踏まえると、まあ順当な感じかと思います。逆に言えば、今回の女子校3校は、女子校の中ではかなり国公立が多めという見方もできるんじゃないかと思います。

私立大学現役合格者数(2021〜2023年)

私立大学は重複合格が多く合格率が意味をなさないので、合格者数を積み上げたグラフにします。ただ卒業生数もわかるようグレーで表しています。

(画像タップで拡大します)
早慶:早稲田大+慶應大、上理:上智大+東京理科大、MARCH:明治大+青山学院大+立教大+中央大+法政大
*合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*桜蔭の全データ、女子学院・豊島岡・渋幕の医学部データは進学情報誌さぴあより

男子校の場合と大きく異なるのがこの私立大学グラフで、女子校の場合はどこも私立大学への現役合格者が多いという特徴があります。グレーのバーが卒業生数なのですが、全ての学校で色塗りされた部分に埋まっている状態、つまり卒業生数の100%を大きく上回っているということです。

桜蔭・女子学院ではバーが早慶の枠内に収まっていて、要するに医学部+早慶だけで卒業生の100%を超えているイメージになります。渋渋も100%に近いです。

そして渋幕以外は、MARCHまでの合格人数で卒業生の200%、2倍程度に達します。

女子の場合は現役志向が強いので、このあたりの学校は国公立を目指しつつ私大も受け、いずれかに現役で進学している人が多いということなんでしょう。

海外大学合格者数(2019〜2023年)

最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。

上位大学計全大学計20232022202120202019
*桜蔭030/ 1/ 1/ 9/ 0/ 19
女子学院8262/ 110/ 04/ 92/ 6/ 0
豊島岡11250/ 33/ 75/ 93/ 4/ 2
渋谷幕張581247/ 168/ 3617/ 3021/ 275/ 15
渋谷渋谷10416430/ 3713/ 3024/ 2710/ 1527/ 55
*合格者数データは各学校Webサイトより
*年度ごとの数字は[上位大学/全大学]となっています。空欄はデータが取れなかった年度です。
*上位大学はTHE世界大学ランキング100位以内などを基準としています。具体的にはこちらの記事の指標となります。
*具体的な合格大学名(上位大学)は各学校名のリンクからご覧ください。
*桜蔭のデータは進学情報誌さぴあより
(画像タップで拡大します)

桜蔭は学校Webサイトの合格実績に詳細がないので、残念ながらどんな大学にどのくらい行っているのかよくわかりません。

ただ総数からすると、ここの女子校3校にそれほど大きな差はないようには見えますね。海外大学は1人で5〜10校受験するのが普通のようなので、まあせいぜい年に1〜2人が海外に行っているという感じなのかなと想像します。

渋幕・渋渋はそれよりだいぶ多いですが、そうは言っても計算上、実受験者は年に数人〜10人がせいぜいの感じがします。そもそも奨学金枠など経済的な問題も大きいので、このデータは慎重に見るべきかなとは思います。ちなみにこの2校で比べると、渋渋の方が卒業生が2/3くらいなのに全合格者数も上位大学の数も多い状態なので、渋渋の方がより海外志向が強いのかなというのが見えます。

次ページへ続きます。

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