【進学校の横比較】女子・共学最上位編(桜蔭・女子学院・豊島岡+渋幕・渋渋・筑附)

学校の横比較シリーズ
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更新情報
  • 2024.6.10 進学実績・偏差値を2024年版へ更新、筑附を追加
  • 2023.9.28 進学実績を3年平均に変更(2021〜2023年)
  • 2022.11.26 初版投稿(2022年実績ベース)

同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画です。

大学合格実績や教育内容、入試情報などを深掘りし、グラフ化するなど見やすくして横比較していきます。こんな感じでシリーズ化しています。

基本的には学校のWebサイトを中心とした公開情報をまとめたもので、表に出てこないような裏話ではなく、複数の学校を横比較することで見えてくるものを発見するという感じです。

こんな方におすすめ
  • 志望校や併願校をまだ絞り込めていない
  • 東大ランキング以外の進学実績を見てみたい
  • 教育内容・環境を横並びで比較してみたい
  • 単純に国私立の中学・高校に興味がある

記事全体の構成は次の通りです。

記事の全体構成

  1. 大学合格実績の比較[ページ1
  2. 教育内容の比較[ページ2
  3. 入試の比較[ページ3
  4. まとめ[ページ3

*ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。

データの羅列だけではつまらないのでそれぞれ簡単にコメントを入れていきます。極力第三者的な視点で書くつもりではありますが、それでも好みや主観は入ってしまうと思うのでそこは割り引いて見ていただければと思います。

今回は女子の最難関を取り上げます。

大学合格実績で見ると桜蔭1校だけが突出しているのでどう取り出すか迷いましたが、最終的に四谷大塚偏差値で70を超えているところを基準にしました。

で、桜蔭・女子学院・豊島岡の女子校3校を挙げたのですが、女子の場合は共学校も選択肢として割と大きな存在になっていると感じるので、渋谷教育学園幕張(渋幕)・渋谷教育学園渋谷(渋渋)・筑波大附属(筑附)も一緒に取り上げようと思います。

2022年のサピックス偏差値では渋幕も渋渋も今や桜蔭(62)以上になっていて、女子最上位層が選ぶ学校としては無視できない存在に見えます。女子編だけで取り上げるのもどうかと思ったのですが、共学校編というのは色んな軸があってちょっと一括りにできない感じがしたのでこちらに入れることにしました。
ただし共学校の合格実績は男女合わせた数字になるので、完全にフラットな比較ではない点だけお気を付けください。

1. 大学合格実績の比較

大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。また並び順は、東京一工医(東大・京大・一橋大・東工大と国公立医学部)の黄色ラインを基準にしています。

国公立大学実績(2022〜2024年)

国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を合格率として集計します。

国公立大学現役合格実績 共学最上位
合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
桜蔭の全データ、女子学院・豊島岡・渋幕の医学部データは進学情報誌さぴあ(2024年分はインターエデュ)より
*一工:一橋大+東工大、旧帝大:北海道大+東北大+名古屋大+大阪大+九州大
*重複カウントを避けるため、旧帝大には東大・京大、医学部には東大理Ⅲと京大医学部、旧帝大と他国公立には医学部の数字を含みません
*桜蔭の他国公立大学はデータがないため反映されていません(私立・浪人に含まれます)
*渋幕の旧帝大には名古屋大・九州大は含まれません(他国公立に含まれます)

一見して分かる通り桜蔭が頭ひとつ抜けている感じです。共学最難関といわれる渋幕・渋渋よりもだいぶ上で、男子最上位の3校(筑駒・開成・聖光学院)と比較した方が良い感じになっています。

次にくるのが渋幕・渋渋で東京一工医(黄色帯)までで約30%女子学院・豊島岡・筑附は20〜25%という感じです。女子学院と豊島岡を比較すると、女子学院は東大が多め、豊島岡は医学部が多めという感じで方向性の違いがありそうです。

2024年の注目データ

豊島岡は年度による上下がありそうで、2024年はやや低調だったようです。東大と医学部は増加でしたが、京大(13→1人)や一工が減ったことで、女子学院よりやや見劣りするグラフになりました。(昨年はほぼ同程度に見えた)

私立大学実績(2022〜2024年)

私立大学は重複合格が多いですが、卒業生数を100%としたときの割合を積み上げてグラフ化しました。

私立大学現役合格実績 共学最上位
合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
桜蔭・筑附の全データ、女子学院・豊島岡・渋幕の医学部データは進学情報誌さぴあ(2024年分はインターエデュ)より
*早慶:早稲田大+慶應大、上理:上智大+東京理科大、MARCH:明治大+青山学院大+立教大+中央大+法政大

男子最上位とは大きく異なり、女子の場合はどこも私大合格者が多いです。桜蔭・女子学院は医学部+早慶で卒業生数の100%を超えます。渋渋も同様です。

そして渋幕・筑附以外は、MARCHまでの合格人数で卒業生の200%、2倍程度に達します。渋幕がやや低いのは男子の方が多く、現役志向がそこまで高くないためと考えられます。筑附も現役志向はあまり高くないようです。

女子の場合は現役志向が強いので、このあたりの学校は国公立を目指しつつ私大も受け、いずれかに現役で進学している人が多いと見ることができると思います。

合格者総数(積み上げ)

ここまでは卒業生との割合で見てきましたが、合格者人数を積み上げてみるとこんな感じです。

合格者数データは各学校Webサイトより
桜蔭・筑附の全データ、女子学院・豊島岡・渋幕の医学部データは進学情報誌さぴあ(2024年分はインターエデュ)より

人数の多い豊島岡や渋幕は、合格者の数も多い感じになりますね。

海外大学実績(2020〜2024年)

最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。

合格者数データは各学校Webサイトより
*年度ごとの数字は[名門大学/全大学]となっています。空欄はデータが取れなかった年度です。
*名門大学はTHE世界大学ランキング100位以内などを基準としています。具体的にはこちらの記事の指標となります。
*筑波大附属のデータは進学情報誌さぴあより
海外大学合格実績グラフ 共学最上位

渋幕・渋渋はイメージ通りというか海外大学実績はそれなりの数があります。そこと比べると女子校3校はだいぶ少ない感じですが、それでもゼロではなさそうです。

桜蔭はデータのない年があり、大学名も触れられていないことが多いので自力で進学する人が1人出るかどうか、という感じじゃないかと思います。女子学院も人数の出方からすると年に1〜2人という感じです。毎年合格者を出しているのは豊島岡で、ここはもしかすると学校側のサポートも多少あるのかなと感じます。

渋幕・渋渋の2校で比べると、渋渋の方が卒業生が2/3くらいなのに全合格者数も上位大学の数も多い状態なので、渋渋の方がより海外志向が強いのかなというのが見えます。

次ページへ続きます。

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