【学校比較】男子Y60〜55編(サレジオ・芝・本郷・逗子開成・暁星・攻玉社・城北・桐朋・巣鴨・世田谷・都市大)

学校比較 〜サレジオx芝x本郷x逗子開成x暁星x攻玉社x城北x桐朋x巣鴨x世田谷x都市大〜学校の横比較シリーズ

同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画です。

大学合格実績や教育内容、入試情報などを深掘りし、グラフ化するなど見やすくして横比較していきます。

こんな方におすすめ
  • 志望校や併願校をまだ絞り込めていない
  • 東大ランキング以外の進学実績を見てみたい
  • 教育内容・環境を横並びで比較してみたい
  • 単純に国私立の中学・高校に興味がある

基本的には学校のWebサイトを中心とした公開情報をまとめたもので、表に出てこないような裏話ではなく、複数の学校を横比較することで見えてくるものを発見するという感じです。

記事全体の構成は次の通りです。

記事の全体構成

  1. 大学合格実績の比較[ページ1]
  2. 教育内容の比較[ページ2]
  3. 入試の比較[ページ3]
  4. まとめ[ページ3]

*ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。

データの羅列だけではつまらないのでそれぞれ簡単にコメントを入れていきます。極力第三者的な視点で書くつもりではありますが、それでも好みや主観は入ってしまうと思うのでそこは割り引いて見ていただければと思います。

今回は男子三番手、四谷大塚偏差値で55〜60辺りに多数ひしめく男子校を取り上げます。個人的には一番求められている気がしてやりたかった学校群なんで、ちょっと時間がかかりましたが何とかまとまりました。

ここは数が多く、何らかのかたちで2つに分けることも考えたのですが、偏差値と大学合格実績の相関が微妙だったりして分けることが難しく、全て一覧化して比較した方がわかりやすいと思ったのでまとめてしまいました。

偏差値だけであれば、サレジオ学院(Y61/S52)、芝・本郷(Y59/S51)、逗子開成(Y57/S50)の4校とそれ以外でグループ化できそうではあります。ただ、50偏差値だと実はサレジオと芝だけ上位という見方もできたり(これは偏差値比較のところで考察します)、都市大はⅠ類とⅡ類を分けて出す四谷大塚(Y55/59)と分けないサピックス(S53)では偏差値の出方が全然違ったりと複雑なので、その意味でもまとめた方がわかりやすそうです。

ちなみにY55で切ったのは、偏差値的にこの次にくる男子校(鎌倉学園、高輪、成城)では東大合格者数がゼロの年があり、合格実績面で明確な区切りを感じたからとなります。また共学校も合格実績面でちょっと男子校とは違ってくるので、今回は男子校のみで分類しています。

ということで数が多く見るのも大変ですが、色々比較してみていただければと思います。

1. 大学合格実績の比較

大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。

また比較のため、男子二番手校で取り上げた浅野を一緒に並べるので、二番手校とは浅野を基準に比較してもらえればと思います。

国公立大学現役合格率(2022年)

国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を合格率として集計します。

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*合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数はインターエデュより
*攻玉社の医学部データは進学情報誌さぴあより
*重複カウントを避けるため、旧帝大には東大・京大、医学部には東大理Ⅲと京大医学部、旧帝大と他国公立には医学部の数字を含みません

東大順で並べるとこんな感じの並び順になります。せっかくなので、東京一工医(東大・京大・一橋大・東工大・医学部)の黄色ラインのところで並べ替えてみると次のようになります。

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他の指標や現役・浪人含めるとまた違ったかたちにはなるので、それぞれの見方でデータを見ていただければと思います。

まあ何となくですが、割と偏差値通りではあるかと思います。都市大付属が偏差値より高いのと、本郷があまり高くないというのが例外的な感じでしょうか。

この中で高校募集があるのが桐朋・城北・巣鴨・本郷(本郷は2023年卒業生まで高入生あり)で、この4校は現浪合わせた数字に比べて現役合格が少なめの印象があります。このグラフだと低く見えてしまうのはその影響があるかもしれません。

あとは、ここ数年で入試に動きがあった学校が多いのがこのクラス帯です。詳しくは後ほど偏差値比較のところで取り上げますが、これによる入学時の難易度変化がこの先の合格実績にどう影響してくるのか、要注目ですかね。

私立大学現役合格者数(2022年)

私立大学は重複合格が多く合格率が意味をなさないので、合格者数を積み上げたグラフにします。ただ卒業生数もわかるようグレーで表しています。

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*合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数はインターエデュより
*攻玉社の医学部データは進学情報誌さぴあより

ひとつの見方として、卒業生数の細いグレーのバーが合格者数の積み上げグラフのどこに着地しているかがあります。

ピンクの枠内に着地している学校が多い感じです。これは、早慶上理(早稲田・慶應・上智・東京理科)+医学部で卒業生数の100%を越えることを意味します。

浅野とも似た感じのグラフになっているので、ピンク部分に着地しているこれらの学校(芝・都市大・サレジオ・本郷・攻玉社・世田谷学園)は、私立大学へはY65編の海城・浅野・早稲田と似たような合格者割合を出していると言えるかと思います。

これ以外は、MARCHに着地しているのが暁星・逗子開成・桐朋・城北の4校で、突き抜けている(100%に達しない)のが巣鴨です。ここは浪人の割合とそれなりに相関がありそうです。

進学者数については、数字を出しているのはこの中ではサレジオしかないので、前回男子Y65編の2校と合わせて出してみました(早稲田は比較が難しいので省略)。

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*進学者数データは各学校Webサイト、卒業生数はインターエデュより
*栄光学園の国公立医学部はデータがありません(合格者全員が進学しているものとして点線で示します)

サレジオの私立大学、特に早慶の赤いラインのボリュームが目立ち、現役進学が8割と高いというのがわかりますね。

ちなみにサレジオで、早慶の合格者数から進学者数を割った割合(=進学率)は30%、これが上理・MARCHになると10%程度になっています。他の学校で、私立大学への進学割合を見るときの目安として参考にしたいと思います。

海外大学合格者数(2018〜2022年)

最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。

上位大学計全大学計20222021202020192018
暁星140/ 11/ 1/ 0/ 1/ 1
*017/ 0/ 12/ 1/ 3/ 1
都市大付属070/ 70/ 00/ 00/ 00/ 0
サレジオ110/ 00/ 00/ 01/ 1/ 0
本郷000/ 00/ 00/ 00/ 00/ 0
攻玉社560/ 00/ 00/ 05/ 6/ 0
逗子開成10220/ 75/ 95/ 60/ 00/ 0
桐朋370/ 00/ 00/ 03/ 50/ 2
城北0110/ 10/ 70/ 00/ 10/ 2
巣鴨080/ 00/ 00/ 40/ 00/ 4
世田谷学園360/ 00/ 0/ 13/ 5/ 0
*合格者数データは各学校Webサイトより
*年度ごとの数字は[上位大学/全大学]となっています。空欄はデータが取れなかった年度です。
*上位大学はTHE世界大学ランキング100位以内などを基準としています。具体的にはこちらの記事の指標となります。
*具体的な合格大学名(上位大学)は各学校名のリンクからご覧ください。
*芝は人数のみで学校名が公開されていません
*暁星(2018〜20年)、芝(2018〜20年)、サレジオ(2018年)、攻玉社(2018年)、世田谷学園(2018,20年)は進学情報誌さぴあより
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まあ比較するほどの差はないですね。唯一、逗子開成がここ3年連続でそこそこの数を出しているので、ちょっと流れができ始めているのかもしれません。

次ページへ続きます。

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