【進学校の横比較】女子Y65編(雙葉・フェリス・洗足・白百合・お茶女・明の星・吉祥女子・鷗友・頌栄)

学校比較 〜雙葉xフェリスx洗足x白百合x明の星x鷗友x吉祥x頌栄〜 学校の横比較シリーズ
更新情報
  • 2023.9.30 進学実績を3年平均に変更(2021〜2023年)
  • 2022.11.30 初版投稿(2022年実績ベース)

同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画です。

大学合格実績や教育内容、入試情報などを深掘りし、グラフ化するなど見やすくして横比較していきます。こんな感じでシリーズ化しています。

基本的には学校のWebサイトを中心とした公開情報をまとめたもので、表に出てこないような裏話ではなく、複数の学校を横比較することで見えてくるものを発見するという感じです。

こんな方におすすめ
  • 志望校や併願校をまだ絞り込めていない
  • 東大ランキング以外の進学実績を見てみたい
  • 教育内容・環境を横並びで比較してみたい
  • 単純に国私立の中学・高校に興味がある

記事全体の構成は次の通りです。

記事の全体構成

  1. 大学合格実績の比較[ページ1
  2. 教育内容の比較[ページ2
  3. 入試の比較[ページ3
  4. まとめ[ページ3

*ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。

データの羅列だけではつまらないのでそれぞれ簡単にコメントを入れていきます。極力第三者的な視点で書くつもりではありますが、それでも好みや主観は入ってしまうと思うのでそこは割り引いて見ていただければと思います。

今回は女子の二番手、四谷大塚偏差値で61〜67にひしめく女子校編です。

いま偏差値が上下動しているっぽいので偏差値で区切るのが難しいところですが、国公立大の合格実績で見ると頌栄女子までで明確な区切りができるそうなのでここまでとしています。また偏差値50台後半は大学附属校が多いので、その意味でもここらで切ることができそうです。

なお2023年度版ではお茶の水女子大附属を追加しました。お茶の水女子は中学は共学ですが高校から女子校になるので、大学合格実績を考えれば女子校で扱った方がいいと判断しました。

[AD]

1. 大学合格実績の比較

大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。また並び順は、東京一工医(東大・京大・一橋・東工大と国公立医学部)の黄色ラインを基準にしています。

女子最上位編との比較のため、豊島岡も一緒に並べます。最上位校とは豊島岡を基準に比較してもらえればと思います。

国公立大学現役合格者割合(2021〜2023年)

国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を集計します。

(画像タップで拡大します)
一工:一橋大+東工大、旧帝大:北海道大+東北大+名古屋大+大阪大+九州大
*合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*豊島岡・雙葉・フェリス・お茶女大・浦和明の星・頌栄女子の医学部データは進学情報誌さぴあより
*重複カウントを避けるため、旧帝大には東大・京大、医学部には東大理Ⅲと京大医学部、旧帝大と他国公立には医学部の数字を含みません
*フェリスの旧帝大は医学部との重複カウントがある可能性があります
*浦和明の星の他国公立大学はデータがないため反映されていません(私立・浪人に含まれます)

比較対象の豊島岡を見ると、最上位校とは明確に差があるのがわかると思います。で、ざっと見た感じでは(一部を除き)大体偏差値順に並んでいるかなという感じはします。例外なのは鷗友学園と頌栄女子が比較的高めなことですかね。

内訳で見ると、東大が多いのは洗足学園・雙葉・フェリス・白百合学園、医学部が多いのが雙葉・白百合・フェリスといったところです。

全体感として、同偏差値帯の男子校に比べると正直ちょっと見劣りする感があり、男子三番手校と大体同じくらいかなという印象です。個人的には、このクラスの女子校からもっと国公立大に行くようになってほしい(日本社会の変革のため)と思ったりするので頑張ってほしいです。この次クラスの女子校だと、東京一工医合わせても数人とかいうレベル感になってしまうので、女子校の中ではだいぶ多い方ではありますが。

私立大学現役合格者数(2021〜2023年)

私立大学は重複合格が多く合格率が意味をなさないので、合格者数を積み上げたグラフにします。ただ卒業生数もわかるようグレーで表しています。

(画像タップで拡大します)
早慶:早稲田大+慶應大、上理:上智大+東京理科大、MARCH:明治大+青山学院大+立教大+中央大+法政大
*合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*雙葉・フェリス・お茶女大・頌栄女子・浦和明の星の医学部データは進学情報誌さぴあより

ひとつの見方として、卒業生数の細いグレーのバーと比べて合格者数の積み上げグラフがどこに着地するかがあるのですが、やはり女子校は軒並み私立大学の合格者が多く、グレーのバーが全て色の中に埋まっています(合格者数が卒業生数を大きく上回っている)。

各学校での大きな違いはないように見えますが、あえて探すと、洗足学園と頌栄女子が早慶+医学部でほぼ卒業生の100%に達しているというところですかね。MARCHまで含めると、洗足は300%、頌栄は350%を超えます。

せっかくなので、早慶・上理・MARCHの割合を数字で出してみます。

(画像タップで拡大します)

私大は抑え受験も多く、例えば早稲田に進学した人が上智や明治なども複数合格しているようなケースは多々考えられるので、私大を中心に受けているなら早慶よりMARCHの方が合格者が多くなるはずです。早慶が多くなっている学校については、むしろ早慶が抑えになっていて狙いは難関国公立大なんだと思います。

そういう意味で、女子二番手校については難関私大も十分に主戦場なんだろうと思いますが、学校ごとに若干カラーは違いそうなので、色々見てみて考察してみると面白いかもしれません。

続いて、合格者だけでなく進学者も公開してくれている学校について、進学率もグラフにしておきます。(せっかくなので豊島岡も並べてみます)

(画像タップで拡大します)
*合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*豊島岡・吉祥女子・頌栄女子の医学部はデータがないので仮の値です(国公立は合格者全員が進学しているものとし、私立は合格者の1/3が進学として計算しています)

とりあえず男子に比べると現役での進学率がかなり高いです。現役進学を考えると、複数の合格をもらえる私立がどうしても増えるのかもしれませんね。

という背景があってか、どの学校も早慶の濃い赤が目立ちます。合格者数は早慶以外の私立も多いので、合格者数と進学者数は比例せず、進学先はより上位が多くなるということだと思います。当たり前といえば当たり前ですが、意外に気付きにくい点だとは思います。

海外大学合格者数(2019〜2023年)

最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。

上位大学計全大学計20232022202120202019
*雙葉017/ 0/ 3/ 3/ 4/ 7
洗足学園29797/ 113/ 103/ 286/ 1310/ 17
*フェリス7241/ 30/ 31/ 35/ 13/ 2
*鷗友学園5190/ 60/ 21/ 24/ 90/ 0
*お茶女大04/ 0/ 0/ 1/ 1/ 2
*白百合学園613/ 06/ 12/ 0/ 1/ 0
*頌栄女子0180/ 00/ 20/ 20/ 5/ 9
*吉祥女子023/ 11/ 4/ 0/ 3/ 5
*浦和明の星252/ 5/ 0/ 0/ 0/ 0
*合格者数データは各学校Webサイトより
*年度ごとの数字は[上位大学/全大学]となっています。空欄はデータが取れなかった年度です。
*上位大学はTHE世界大学ランキング100位以内などを基準としています。具体的にはこちらの記事の指標となります。
*具体的な合格大学名(上位大学)は各学校名のリンクからご覧ください。
*雙葉・お茶女大・白百合・吉祥女子・フェリス(2019年)・頌栄女子(2019年)・浦和明の星(2019〜2022年)は進学情報誌さぴあより
(画像タップで拡大します)

ここは洗足学園が目立ちますね。調べた限り、女子校の中ではちょっと抜けた実績なのではと思います。ランキング上位大学へも毎年合格者が出ていて、流行りの国際系と比べても悪くない実績だと思います。

まあそうは言っても、最上位編でも触れている通り実際の受験者は年に数人(一人で数校合格している)と考えられ、奨学金枠など経済的な問題も大きいので、このデータは慎重に見るべきかなとは思います。

その他の学校はそこまで違いはない感じですかね。

ちなみに頌栄女子はイギリスにWinchester Shoei Collegeという系列校があり、毎年2〜5名くらいの進学者がいるようです。ここは2年制のカレッジですが、その後は名門Winchester大学の学士課程に進むことができるらしいです。狭き門かもしれませんが、こういう道があるのは良いですね。

次ページへ続きます。

コメント