【進学校の横比較】男子二番手編(麻布・栄光・武蔵・駒東・海城・早稲田・浅野)

学校比較 〜麻布x栄光x浅野x駒東x武蔵x海城x早稲田〜 学校の横比較シリーズ
記事内に広告が含まれています。
更新情報
  • 2024.6.6 進学実績・偏差値を2024年版へ更新
  • 2023.9.28 進学実績を3年平均に変更(2021〜2023年)
  • 2022.11.22 初版投稿(2022年データ)

同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画です。

大学合格実績や教育内容、入試情報などを深掘りし、グラフ化するなど見やすくして横比較していきます。こんな感じでシリーズ化しています。

基本的には学校のWebサイトを中心とした公開情報をまとめたもので、表に出てこないような裏話ではなく、複数の学校を横比較することで見えてくるものを発見するという感じです。

こんな方におすすめ
  • 志望校や併願校をまだ絞り込めていない
  • 東大ランキング以外の進学実績を見てみたい
  • 教育内容・環境を横並びで比較してみたい
  • 単純に国私立の中学・高校に興味がある

記事全体の構成は次の通りです。

記事の全体構成

  1. 大学合格実績の比較[ページ1
  2. 教育内容の比較[ページ2
  3. 入試の比較[ページ3
  4. まとめ[ページ3

*ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。

データの羅列だけではつまらないのでそれぞれ簡単にコメントを入れていきます。極力第三者的な視点で書くつもりではありますが、それでも好みや主観は入ってしまうと思うのでそこは割り引いて見ていただければと思います。

第2回は男子二番手(と言うと怒られるかもしれませんが)の、四谷大塚偏差値65前後の学校群です。

麻布・栄光学園・浅野・駒場東邦(駒東)・武蔵・海城・早稲田の7校で、ちょっと学校数が多いとは思いますが、偏差値や大学合格実績を見てもこの7校でひとかたまりと私は感じているのでこれでいきます。

1. 大学合格実績の比較

大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。また並び順は、東京一工医(東大・京大・一橋・東工大と国公立医学部)の黄色ラインを基準にしています。

同難易度の共学校である渋谷教育学園幕張(渋幕)・渋谷教育学園渋谷(渋渋)・筑波大学附属(筑附)も比較対象として並べて表示します。

国公立大学実績(2022〜2024年)

国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を合格者割合として集計します。ここだけ最上位編の3校も縮小して並べてみます。

以下2校はややイレギュラーです。

武蔵:基本的に進学者数のみの公開ですが、2022年までは国公立大学の合格者と進学者の差分情報があり集計できていました。残念ながら2023年から消えてしまいましたが、せいぜい数人程度の話なので誤差として見ていいと思います。

早稲田:半分が内部推薦で早稲田大に行きながらも進学校でもあるという独特な学校なので、比較は難しいですが一応推薦分も明示して同列で比較を出してみました。

合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
栄光学園・駒場東邦・渋幕の医学部データは進学情報誌さぴあ(2024年分はインターエデュ)より
*一工:一橋大+東工大、旧帝大:北海道大+東北大+名古屋大+大阪大+九州大
*重複カウントを避けるため、旧帝大には東大・京大、医学部には東大理Ⅲと京大医学部、旧帝大と他国公立には医学部の数字を含みません
*栄光学園の旧帝大は医学部との重複カウントがある可能性があります
*武蔵は進学者数のみです(2022年は東工大+1、医学部+3の可能性あり)
*早稲田は早稲田大学への内部推薦も併せて表示しています
*渋幕の旧帝大には名古屋大・九州大は含まれません(他国公立に含まれます)

東京一工医(黄色帯)までを難関国公立と定義しその順で並べています。そこまでの合格割合で見ると30%前後のところが多く、武蔵・早稲田がやや下がって20%前後という感じです。ちなみに最上位編の3校は50%前後、この次にくるサレジオは20%以下となるので、偏差値的にも合格実績的にもここで分けるのが妥当と判断しています。

比較のため載せている渋幕・渋渋・筑附はここで挙げている学校群と同じくらいです。

学校ごとの違いで見ると、東大が多めなのが栄光学園・駒場東邦・麻布で、医学部が多めなのが海城といったところです。浅野は東工大の合格者数で全国トップを取ることが多かったのですが、ここ2年ほど方向性が変わり東大シフトになってきているように見えます。

早稲田は約半数が内部推薦で早大に行くので、実質的に外部受験するのは半分の母数です。外部受験する人数が半分として見ると、この中でもかなり上位に位置づけられるでしょう。

2024年更新情報

駒場東邦は年度による変動が激しく、2023年は開成に迫る実績でしたが2024年は低調だったため、今回の集計では3番手に後退しました。麻布も2024年は低調で、東大の減少が全体を押し下げた格好です。一方で大きく伸ばしたのが早稲田で、2024年単年度で見ると難関国公立で30%を超え、もはや麻布を上回るところまできています。半数が早大推薦の上でなので、これは驚くべき数字じゃないかと思います。

私立大学実績(2022〜2024年)

私立大学は重複合格が多いですが、卒業生数を100%としたときの割合を積み上げてグラフ化しました。

私立大学現役合格実績 共学最上位
合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
筑附の全データ、栄光学園・駒場東邦・渋幕の医学部データは進学情報誌さぴあ(2024年分はインターエデュ)より
*早慶:早稲田大+慶應大、上理:上智大+東京理科大、MARCH:明治大+青山学院大+立教大+中央大+法政大
*武蔵は合格者数ではなく進学者数の数字です

校風の違いというか、方向性の違いが出るのがこの私大動向でしょう。

合格者が明らかに多いのが海城・浅野、中程度が栄光・駒東、少ないのが麻布といったかたちです。これは現役志向の強さと関連していると考えられます。

武蔵は進学者数のみで、私大の場合は重複合格が多いのでここでは直接比較できない数字になります。

早稲田は推薦分を抜いて考えると海城・浅野に近いイメージになりそうです。渋幕・渋渋も同様ですかね。

合格者総数(積み上げ)

ここまでは卒業生との割合で見てきましたが、合格者人数を積み上げてみるとこんな感じです。

合格者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*武蔵は合格者数ではなく進学者数の数字です

全体のイメージを見るのにご活用ください。

進学実績(2022〜2024年平均)

進学者数を公開してくれている学校は多くないのですが、公開されているところを筑駒・開成もあわせてグラフ化します。

現役進学実績 男子難関校
*進学者数データは各学校Webサイト、卒業生数は日能研入試情報より
*栄光学園の国公立医学部はデータがないので、合格者全員が進学しているものとして点線で示します

武蔵は合格者数の情報がないので、逆に進学者数から他校との比較でイメージが付けられればよいかと思います。私大のイメージは栄光学園に近そうですかね。

早慶の合格者数から進学者数の割合を算出したところ、開成は17%、栄光学園は22%でした。ということで、私大合格者数の1/4〜1/5程度が進学数と思っておけば良いかなという感じです。

あと面白いのが、早稲田以外の4校で見ると現役進学率はほぼ6割で揃っていて、進学先が違っているだけという点ですかね。早稲田は8割以上が現役進学のようです。私大合格の多い学校(聖光学院・海城・浅野・渋谷系など)の進学率も見てみたいのですが、どこか進学者数公開してくれませんかねぇ。

海外大学実績(2020〜2024年)

最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。

合格者数データは各学校Webサイトより
年度ごとの数字は[名門大学/全大学]となっています。空欄はデータが取れなかった年度です。
名門大学はTHE世界大学ランキング100位以内などを基準としています。具体的にはこちらの記事の指標となります。
*駒場東邦・武蔵は合格者数ではなく進学者数のみです。
海外大学合格実績グラフ 共学最上位

ここで目立つのは海城で、ここ数年で急激に海外大合格者を増やしています。

あとは武蔵で、毎年必ず進学者が出ているようです(ただこちらは進学者分しかわからないので、実際どの辺りの学校にどのくらい合格しているのかわからないのが残念なところです)。

それ以外の学校はそれほど大きな動きがあるようには見えませんね。

ただ海城でも渋渋・渋幕には遠く及ばず、海外へという流れはまだ一部の特別な例という感じは受けます。とはいえ、最上位編で見た通り、渋幕と同程度の開成でも実際の進学者数は年で数人からせいぜい10人くらいなので、いずれにしても全体から見ればそれほど大きなボリュームにはなっていないと考えられます。そもそも奨学金枠など経済的な問題も大きいので、このデータは慎重に見るべきだと思いますが、一応学校の違いとしては挙げていいと思います。

次ページへ続きます。

コメント