国語入試問題の文字数(男子校)

受験データ

国語の入試問題は、難関校を中心にかなりの長文を出す学校が多いです。

我が家の国語は時間との戦いで文章の長さが重要になるため、各学校の文章題の文字数をカウントしてみました。塾のサイトで大体このくらいという数字を出しているところもありますが、情報が古いこともあるので最新年度の過去問で数えてみようということで。

過去問データは、学校の公式Webサイトで過去問を公開している学校についてはそのPDFを使用しています。それ以外の学校については、四谷大塚の過去問データベースからダウンロード可能なPDFを使用しています。

学校はひとまず男子校のみで、過去3年(2019〜2021年)で2年以上分の過去問データがダウンロードできた学校のみを抽出しました。国語は著作権の問題でダウンロードできない学校も多く、四谷大塚データベースでは難関校中心にしか公開されていないので、データも難関校中心になっています。あしからず。

文字数のカウント方法はWordの文字カウント機能を使用しています。空のWordにPDFからテキストを貼り付けると文字カウント機能により文字数を数えてくれるので、このデータを使っています。

学校の公式過去問の場合はテキスト化されたPDFなのでそのままテキストを抜き出して使っています。しかし四谷大塚データベースのものは画像PDFでテキスト抽出ができないため、Adobe Acrobatのテキスト認識機能を使って抽出しています。これだとそこそこ認識はしてくれるのですが、行の順番がめちゃくちゃだったりうまく認識できない文字もでてきます。ルビの削除や明らかにおかしい文字は直していますが、文章自体を直すほどの手間はかけられないので、精度については微妙です。あくまでも目安としていただければと思います。

ちなみに文字数は、3年分の過去問から(2回試験の学校で入手できたものは2回×3年分)文章題の部分を抽出し、年度ごとの平均を出しています(完全に正確なデータではないので百の位で丸めています)。物語文と説明文がある学校は両方を合計した数字です。一応、平均だけではなく年度ごとのブレ幅も500単位で書いています。

あと参考までに、設問についても知識問題/抜き出し・穴埋め/選択問題/記述問題の数について、3年分の平均値を出してみました。ある程度の傾向はこれで見れるかと思います。

では実際のデータです。

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文学的文章1題のみの学校
 文字数
(平均)
文字数
(年度毎のブレ幅)
問題数
(漢字除く)
知識
問題
抜出
穴埋
選択記述漢字時間備考
麻布8500字7500〜9000字120029460
武蔵5600字5000〜6000字600066-750
駒場東邦8200字7000〜10000字1211551560
世田谷6000字5500〜6500字1744821050随筆文1題 

これは有名だと思いますが、麻布、武蔵、駒東は物語文一題のみの出題をする学校です(武蔵については説明文一題の年もありましたが)。特に麻布、駒東はひとつの文章で8000字以上と、めちゃくちゃ長いです。これだけ長いと問題を答えるときには読んだ部分を忘れているということも起こりそうです。

さらに、麻布、武蔵は字数指定なしの記述問題がほとんどで、大した誘導もなく「XXXについて説明しなさい」という突き放した聞き方なので、なかなかハードルが高いです。駒東は問題形式は多様ですが、問題数も多く内容もかなり難しいです。いずれにしてもこの3校はかなりの国語力が求められるのかなと思います。

世田谷学園は、2019年から随筆文1題になっています。こちらも文章は長く問題数も多いですが、上の3校に比べると問題の難易度はそこまで高くはなく解きやすいとは思います。

このほかでは、城北、暁星あたりも物語文一題の出題のようです。(問題文がダウンロードできず調査していません)

大問2題(文学的文章と説明的文章)で記述問題の学校
 文字数
(平均)
文字数
(年度毎のブレ幅)
問題数
(漢字除く)
知識
問題
抜出
穴埋
選択記述漢字時間備考
筑駒4600字4000〜5000字80008540詩の出題あり
開成6200字5000〜8000字70006350
栄光学園7800字6500〜8500字1121171550
6900字6000〜7500字800081050

ここまでで、いわゆる最難関校が大体入ってきます。基本的に最難関といわれる学校は字数制限のない記述問題のみの形式が多いですね。

筑駒、開成は、意外と文章は長くありません。筑駒に至っては各回とも5000字を切っています。ただ時間が40分と短いのと大問3に詩もあるので、別に時間に余裕があるわけではありませんが。そして、文章が長くないからといって文章や問題がやさしい訳ではないので、高難度であることに変わりはないと思います。

栄光学園は長文ですが、近代文学などの難解な文章ではなく出題は割とオーソドックスなので、読めなくて終わるということはなさそうです。

芝は2015年から全て記述式になったようです。ただそこまで難しい問題ではない印象なので、国語苦手男子でも逃げる必要はない(チャレンジしてもいい)問題じゃないかなと思います。

普通の問題形式(模試と同様)の学校
 文字数
(平均)
文字数
(年度毎のブレ幅)
問題数
(漢字除く)
知識
問題
抜出
穴埋
選択記述漢字時間備考
聖光学院8100字6500〜10000字17301051060知識問題の大問あり
★早稲田7200字6500〜7500字131462350
★海城8300字6500〜9500字2000172550
浅野10500字9000〜11500字19331041050
★本郷8900字7500〜10000字1731103550
攻玉社8000字5500〜10000字14131011050知識問題の大問あり
★都市大付8000字6500〜9000字163391450詩の出題あり
★学校の公式サイトで過去問ダウンロードが可能な学校

一般的な模試と同じく説明的文章・文学的文章の2題構成で、問題形式も抜き出し・選択肢・記述含め様々ある出題の学校です。ここは早稲田以外の全ての学校で8000字を超えています。全問記述の代わりに難易度を上げようとすると長文になるということなんですかね。

この模試型での最難関は聖光学院だと思いますが、こうして数字を並べてみると特別何かに突出しているわけではないので、出題文や設問が難しいということですね。

特筆すべきは浅野で、一番短い年でも9000字以上、基本的には説明文・物語文のそれぞれで5000字を超える超長文が出題されています。今回調べた中で文字数トップはこの学校でした。問題数も多いので処理スピードが要求されそうです。

あと文字数の話とは別で出題が特徴的なのは海城で、こちらは記述2問を除く全ての問題が選択肢問題です。本郷もやや似た傾向を感じましたが、海城ほど選択肢に振り切っている出題も珍しく、外した場合に大きく差がつきそうなので、これはこれで対策がいりそうです。

まとめ

出題傾向に合わせ3つに分類してまとめてみました。ある程度、学校ごとの傾向は見えるかなと思います。上位校中心でデータ数が足りない感もありますが、抽出に結構手間がかかるのでデータが入手できたもののみということでご了承ください。

実際に解いてみると、必ずしも文字数だけで解き時間が変わるわけでもなく、設問の難易度も関係はしていそうではありますが、ひとつの目安として使えるかなと思ったので公開しました。この辺りの情報や過去問の出来を参考にしながら、併願校も含め受験校を決めていくことになるかなと思います。

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