【塾選び】2023年版 夏期講習の比較(サピックス・早稲アカ・四谷大塚・日能研)

中学受験塾 夏期講習比較 〜サピックス・早稲アカ・四谷大塚・日能研〜 塾・サービスの比較

前ページからの続きです。横比較から今度は縦方向、塾ごとに見ていきます。

記事の全体構成

【ページ1】学年別の横比較
【ページ2】塾別の縦比較
【ページ3】3年間トータルでの比較

ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。
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サピックス

サピックスWebサイトでは、まあサイト全体に言えることですが、特別感の演出などはなく淡々と夏期講習を紹介している感じです。こういう冷めた感じというか、商売臭さがないところがサピックスらしいと感じますが、それでも人が集まるってのがスゴイですね。

サピックス夏期講習のスケジュール

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スケジュールが細切れなので比較しづらいですが、4年生は7月分が少ない感じになっています。

サピックス夏期講習の授業時間

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校舎によって時間帯が異なります(ここでは一例を提示)

6年生は長いですが、4・5年生は平常授業と同程度の3時間と短く、午前と午後に分けて先生のやりくりをしている感じがします。

サピックス夏期講習の一覧表

6年生5年生4年生
日数18日間+テスト1日20日間+テスト1日14日間+テスト1日
時間 *113:30〜19:309:00〜12:0014:30〜17:30
授業時間100分×3コマ
小テスト30分×2コマ
90分×2コマ60分×3コマ
1日あたり360分/日180分/日180分/日
総時間数 *26,480分3,600分2,520分
受講料214,500円116,600円91,850円
時間単価1,986円/時間1,943円/時間2,187円/時間
算:国:理:社2:2:1:17:5:4:47:6:4:4
備考・7/21は15:00〜21:00
・一部の校舎では
 外部生募集なし
・7/19は17:00〜20:00
・一部の校舎では
 外部生募集なし
・一部の校舎では
 外部生募集なし
 夏期集中志望校錬成特訓  
日数5日間  
時間13:30〜19:30  
拘束時間6時間00分  
授業時間80分×4コマ
小テスト40分
  
1日あたり360分/日  
総時間数1,800分  
受講料70,400円  
合計時間数8,280分3,600分2,520分
合計受講料284,900円116,600円91,850円
*1 校舎ごとに日程や時間が異なる場合があります
*2 総時間数にテスト日は含みません

サピックスは夏期講習中も単元が進むカリキュラムなので、少なくとも4・5年生のうちは休む選択は取れないでしょう(6年生はもっと休めないと思いますが)。4・5年生は授業時間も3時間ということで平常授業と大きく変わらないので、普段の授業がやや日数多く行われているという程度のイメージでいいと思います。

6年生はサピックスにしてはビッシリ入っていますが、それでも半日は空くので、“授業→家庭で復習”というサイクルが作りやすいというのは非常に良い点だと思います。テキストは、これまでの学習内容を夏期講習期間で一周まわすイメージになります。テキストの評判は良いし、独自学習を入れ込むような余裕もないと思うので、基本的には塾の通りに淡々とこなしていくスタイルでいくのが最も効果が高くなると考えられます。

逆の目線では、塾の流れにきちんと乗れるかどうかが最も大事ということも言えるかと思います。学習レベルが合っているかもそうですが、本人の意識や自覚があるかないかで大変さや効果が大きく違うだろうなという気がします。

自宅学習組が選ぶという視点では、4・5年生はカリキュラム中なので、ここから入塾という選択以外での使い勝手は良くないでしょう。6年生の場合は平常授業とは独立したプログラムなので、受講する選択もありじゃないかと思います。その場合、志望校判定サピックスオープンか入室テストを受験しておく必要がある点だけ注意です。

早稲田アカデミー

クールな感じのサピックスとはある意味で真逆を走っている感のある早稲アカですが、夏期講習サイトは夏っぽく爽やか感にあふれています。夏期集中特訓や夏期合宿のページをみるとハチマキ姿が見られ、これを見て引く人も一定数いそうな気がしますが、これはあくまで特訓や合宿の特別なときに気合を入れるためのものであって、普段は至って普通の塾です。

早稲アカ夏期講習のスケジュール

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特訓講座以外は綺麗に日程が並んでいますね。このサイクルは毎年変わっていないので、予定は立てやすいと思います。あとは夏期集中特訓や夏期合宿をどうするか、というところでしょうか。

早稲アカ夏期講習の授業時間

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4年生は日程が多い代わりに時間数が少なくなっています。5・6年生になると、日中時間帯は全て塾で過ごすといったスタイルになります。前半でも触れましたが、学童代わりに通うにはありがたいんじゃないでしょうか。

早稲アカ夏期講習の一覧表

6年生5年生4年生
日数24日間18日間18日間
時間9:00〜16:5010:00〜16:508:50〜11:50
授業時間110分×2コマ
80分×2コマ
110分×2コマ
110分×1コマ
110分×1コマ
60分×1コマ
1日あたり380分/日330分/日170分/日
総時間数8,480分5,940分3,060分
受講料
(カッコ内は外部生)
179,100円
(225,500円)
125,400円
(158,100円)
69,700円
(86,500円)
時間単価
(カッコ内は外部生)
1,267円/時間
(1,596円/時間)
1,267円/時間
(1,597円/時間)
1,367円/時間
(1,696円/時間)
算:国:理:社11:11:8:82:2:1:111:11:6:6
備考・理社は20日間
・2科目受講も可能
 (塾生111,600円/
 外部生140,400円)
・2科目受講も可能
 (塾生83,600円/
 外部生105,400円)
・2科目受講も可能
(塾生45,100円/
外部生56,000円)
 夏期集中特訓夏期集中特訓夏期合宿
日数5日間4日間4日間
時間8:50〜18:308:50〜18:30 
拘束時間9時間40分9時間40分 
授業時間(110分×4コマ)(110分×4コマ) 
1日あたり(440分/日)(440分/日) 
総時間数(2,200分)(1,760分)1,140分
受講料
(カッコ内は外部生)
71,000円
(74,000円)
58,000円
(61,000円)
78,000円
(80,000円)
合計時間数10,680分7,700分4,200分
合計受講料250,100円183,400円147,700円

早稲アカは四谷大塚の予習シリーズを使っています。季節講習は四谷大塚とは別教材になりますが、予習シリーズカリキュラムが夏期講習中にも単元学習が進むかたちでリニューアルされたため、その部分は四谷大塚と同じく単元学習となりました。そのため、4・5年生はサピックスと同様に夏期講習の受講はほぼ必須となっています。6年生は独自教材を使っています。

スケジュールのところで触れた通り、5・6年生は日中帯にほぼ毎日授業があるので、親としては塾にお任せできて助かると思います。ただ、塾に行きさえすれば成績が上がる、というのは幻想でしかないので、成績を上げたいと考えれば、復習(または予習)時間をどう確保するかというのがひとつの課題になるでしょう。塾と予習・復習の学習サイクルが上手く作れれば効果は高くなると思います。ただそれだとどうしても勉強時間は増えてしまうので、体力や睡眠時間の方を気にした方がいいかもしれません。

あとは4年生の夏期合宿、5・6年生の夏期集中特訓をどうするかですかね。

自宅学習組が選ぶ季節講習の塾としては、早稲アカが一番選択しやすいと個人的には思います。予習シリーズベースの学習ならカリキュラムのズレもないし、最上位から中堅層まで在籍生の幅が広いので、実力に合ったクラスで刺激を受けたいという目的には合いやすいと思います。今年から外部生の料金が大きく値上げされましたが、まあここはビジネス上仕方ないところと割り切るしかないでしょう。

四谷大塚

予習シリーズを作っている四谷大塚は、準拠塾・提携塾の全国ネットワークを持つ一大塾ですが、準拠塾・提携塾はそれぞれ独自の夏期講習を行なっているので、ここで取り上げている四谷大塚は直営校のみの話になります。全国統一小学生テストではテレビCM含めものすごい宣伝をしていますが、夏期講習については外部生受け入れに力を入れていないせいか、だいぶ地味めのトーンに感じます。

四谷大塚夏期講習のスケジュール

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最後の2日が違うだけで、4〜6年生まで綺麗に同じ日程が組まれています。8月特訓授業まで必修とされているので、なかなかハードな日程の印象を受けますね。

四谷大塚夏期講習の授業時間

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校舎によって時間帯が異なります(ここでは一例を提示)

6年生は終日、4・5年生は午前と午後に綺麗に分かれています(校舎ごとに設定時間は異なりますが)。

四谷大塚夏期講習の一覧表

6年生5年生4年生
日数16日間+テスト2日16日間+テスト2日16日間+テスト2日
時間 *19:00〜17:2013:10〜18:459:00〜12:40
授業時間   
1日あたり400分/日300分/日200分/日
総時間数 *26,400分4,800分3,200分
受講料172,700円128,700円90,200円
時間単価1,619円/時間1,609円/時間1,691円/時間
算:国:理:社   
備考・講習会判定テスト日は
 午前のみ・120分
  
 8月特訓8月特訓8月特訓
日数10日間8日間8日間
時間9:00〜17:20  
拘束時間8時間20分  
授業時間(100分×4コマ)  
1日あたり400分/日300分/日200分/日
総時間数4,000分2,400分1,600分
受講料69,300円54,120円43,560円
合計時間数10,400分7,200分4,800分
合計受講料242,000円182,820円133,760円
*1 校舎ごとに日程や時間が異なる場合があります
*2 総時間数にテスト日は含みません

予習シリーズのカリキュラムが夏期講習中にも単元学習が進むかたちでリニューアルされたため、4・5年生は受講がほぼ必須になりました。季節講習の案内に「必修」と明記されていてそもそも休みを言い出しづらい雰囲気は前からありましたが、実質的にも必修になったと言えるでしょう。

8月特訓も必修とされているため受講日数が他塾より多く(26日間、6年生は28日間)、夏休みの思い出は塾、という感じになりそうな印象です。6年生は日中ほぼ毎日が塾になるので、文字通り塾漬けという感じです。4・5年生は半日なのでそこまでではないですが、それでも日数が多いので、旅行の予定などはスケジュールが限られてくるでしょう。

あとは、基本的に塾任せが推奨されるところなので、家庭学習含めて親が介入する余地は小さいです。塾任せで伸びるかどうかは子供のタイプによるというか運次第のところがあるので、現状で上手くいっているならOK、そうでないなら中途半端に親が介入するよりは、他塾を含め別の手段を検討した方がいいかもしれません。

自宅学習組、特に進学くらぶ生なら夏期講習も四谷大塚を選びたいところですが、外部生の受け入れに積極的ではないのであまり現実的ではないと思います。そもそも進学くらぶでは同じテキストと動画授業が受けられるので、自宅学習できるなら不要ですね。刺激などの面でどうしても夏期講習を受けたいなら、早稲アカなど四谷系の他塾が合っていると思います。

日能研

日能研は本部系・関東系とに分かれていてクラス編成なども大きく異なるため、ここで取り上げているのはあくまで代表的な校舎の一例です。日程や費用は共通のようですが、設定されているコースや授業時間などは校舎によって異なるので、詳しくはWebサイトや問い合わせで確認してください。日能研も、トップページでは夏期講習の案内が埋もれてしまうくらいの小さな扱いでしかないので、夏期講習で集客するというところにはあまり重きを置いていないようです。

日能研夏期講習のスケジュール

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5・6年生は他塾並みの日程ですが、4年生がかなり軽い(前期・中期・後期の中から1タームのみ)というのが日能研の特徴ですね。

日能研夏期講習の授業時間

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校舎によって時間帯が異なります(ここでは一例を提示)

1日の授業時間は、4年生は日数が少ない分だけ長め、それ以外は普通(他塾並み)です。6年生が午後だけなので、午前は家庭学習に充てることができそうです。

日能研夏期講習の一覧表

6年生5年生4年生
日数24日間+テスト4日18日間+テスト3日6日間+テスト1日
時間 *114:00〜20:3514:00〜19:108:20〜13:35
授業時間70分×5コマ70分×4コマ70分×4コマ
1日あたり350分/日280分/日280分/日
総時間数 *28,400分5,040分1,680分
受講料199,650円138,402円45,188円
時間単価1,426円/時間1,648円/時間1,614円/時間
算:国:理:社3:3:2:25:5:4:41:1:1:1
備考・2科目受講も可能
 (130,350円)
・別途応用コース・
 発展コースあり
(日程・金額は変わらず)
・2科目受講も可能
 (84,810円)
・応用コース・
 発展コースは別途
(日程・金額は変わらず)
・日程は前期・中期・
 後期のいずれか
(校舎・コースにより)
・2科目受講も可能
 (25,784円)
 夏期特別講座夏期特別講座夏期特別講座
日数24日間4日間3日間
時間 *2 14:00〜19:108:20〜13:35
拘束時間 5時間15分5時間10分
授業時間70分×1コマ(70分×4コマ)(70分×4コマ)
1日あたり70分/日280分/日280分/日
総時間数1,680分1,120分840分
受講料41,580円27,720円20,790円
合計時間数10,080分6,160分2,520分
合計受講料241,230円166,122円65,978円
*1 校舎ごとに日程や時間が異なる場合があります
*2 総時間数にテスト日は含みません

予習シリーズがリニューアルで単元学習に踏み切ったため、夏期講習中に単元学習をせずに復習だけなのは、4大手塾の中で日能研だけになりました。なので、夏期講習を休むという選択も理屈上は可能です(塾からは止められるでしょうが)。

あと何度も触れていますが、5・6年生は他塾並みで4年生が軽めというのが日程の特徴です。4年生は1週間だけ塾で、残りは家庭で独自の取り組み(苦手分野の復習や先取りなど)をやったり、旅行や家の手伝い、実験や園芸など体験型の学習に時間を使ってみるとか、色々考えられそうです。

5・6年生は、授業時間は長いですが昼食を挟まず半日なので、もう半日分を家庭学習に充てることができ、授業→復習という学習サイクルは作りやすいと考えられます。

あと他塾と比べたときの違いは、志望校別と銘打った講座が夏休み期間にないというところですかね。夏期特別講座がありますが、他塾のように志望校別にクラスを分けて、同じ志望校の人の中で競争する、みたいな取り組みではなさそうです。夏の時点で必要かというところに個人的には疑問がありますが、他塾の講座が気になって受講する人も一定数いるのかもしれません。

最後のページでは、3年間トータルでの比較をします。

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