四谷大塚 志望校判定テストとは(小5・4対象)

四谷大塚 志望校判定テスト 模試の情報まとめ

小5・4年生対象の志望校判定テストが今週末に実施されるので、ざっくり情報をまとめます。

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志望校判定テストとは

志望校判定テストは、中学受験大手塾の四谷大塚が主催する小5年生・4年生向けのオープン模試です。オープン模試とは塾生に限らず誰でも受験することができる模試のことで、外部生も申し込むことが可能です。

中学受験の模試は6年生向けがメインで、四谷大塚であれば合不合判定テストがそれに当たります。四谷大塚の模試については、全体像を以下の記事でまとめているので参考にしてください。

志望校判定テストの特徴

志望校判定テストの実施形態は、6年生で受験する合不合判定テストの4・5年生版と捉えるのが最もわかりやすいと思います。プレ合不合として、6年生ではこんな形式のテストを受験するんだとイメージする機会になるかと思います。

1. 範囲なしのテストである

4・5年生は新規内容を習得する期間であるため、公開組分けテストなども基本的には単元の習得・定着を目的とした範囲ありのテストとなっています。それに対し、志望校判定テストは範囲なし(それまでの四谷大塚カリキュラムの習得範囲の全て)となっているのが大きな違いです。

2. 受験者数は多くない

四谷大塚カリキュラムで学んでいる生徒は原則的に受験することになる公開組分けテストに比べ、受験する生徒は多くありません。我が家で受験していた2022組で見ると、小4は組分けとほぼ同じ人数、小5では組分けの7割でした。6年生の合不合判定テストが、外部生も多く受け最大規模の母集団となっているのと比べると、この点が大きく異なります。

3. 男女別判定になる

合不合判定テストと同様、男女別での成績表示・判定となります。通常、算数・理科・社会は男子の平均点が高く、国語は女子の平均点が高くなります。4科トータルでも男子が高くなるため、偏差値は男子が低め、女子は高めに出ることになります。

4. 同一日程の志望校登録が可能

合不合判定テストは本番入試を想定し同一日程での志望校登録はできなくなっていますが、志望校判定テストでは可能です。例えば2月1日午前の開成・麻布は併願できないのでどちらか一方を選ぶことになりますが、このテストではどちらも入力可能となっています。そのため、ここでの志望人数が実際の出願数に繋がるわけではなく、順位もそれほど参考にならないという点は留意しておく必要があります。

5. 中学校会場での試験

合不合ほど多くはありませんが、中学校会場での試験を選択できます。試験の待ち時間で学校説明会を開催してくれる学校も多いので、説明会を聞く機会にするのも良いのではと思います。

開催情報

2023年の開催情報を挙げておきます。

日程・時間等

小5志望校判定テスト第1回:2023年9月18日(月祝)
小5志望校判定テスト第2回:2024年1月14日(日)
小4志望校判定テスト:2024年1月14日(日)

時程午前午後
集合時刻(入室完了)8:501:20
テスト開始時刻9:051:35
終了時刻
(予定)
2教科10:453:15
3教科11:354:05
4教科12:104:40
答案回収および解答解説配付後、解散
*集合時刻以降は入室できないので注意
テスト時間配点
問題配付
・諸注意
15分
算数50分150点
国語50分150点
トイレ休憩15分
理科35分100点
社会35分100点

受験料:5,280円

申込受付期間3週前(木)〜直前(木)24:00
志望校登録1週前(月)〜試験翌日18:00
採点後の答案試験翌日 正午以降順次
結果資料集
成績管理
試験3日後 18:00以降

中学校会場

試験会場は四谷大塚校舎のほか、中学校会場を選択することが可能です。本模試での首都圏中学校会場は以下の通りです。

2023年9月開催2023年1月開催
学校小5学校小5小4
麹町学園女子中学校開智日本橋学園中学校
聖学院中学校共立女子中学校
桐朋中学校京華中学校
昭和女子大学附属昭和中学校品川翔英中学校
白梅学園清修中学校成城中学校
普連土学園中学校世田谷学園中学校
宝仙学園中学校・理数インター田園調布学園中等部
安田学園中学校東京成徳大学中学校
鶴見大学附属中学校八王子学園八王子中学校
埼玉栄中学校文化学園大学杉並中学校
宝仙学園中学校・理数インター
三輪田学園中学校
目黒日本大学中学校
山脇学園中学校
関東学院中学校
桐光学園中学校
日出学園中学校
埼玉栄中学校

受験すべき?

ではこの志望校判定テスト、受験すべきかどうかを検討します。

原則受験の四谷大塚や、SSクラス選抜試験らしい早稲田アカデミーなどでは選択の余地はないかもしれませんが、受けるべきか迷っている場合の参考情報になればと思います。

個人的見解から結論を言ってしまうと、不要と考えています。時間を割いて受けるだけのメリットが少ないというのが理由です。

そもそも公開模試を受ける目的を考えると、概ね次の3点になるかなと思います。

  1. 立ち位置を確認する
  2. 入試問題や雰囲気に慣れる
  3. 得意・苦手分野を把握する

6年生後半に受ける模試に関してはこの全てを満たすことになるため、受験すべきでしょう。では4・5年生のこの時期ではどうでしょうか。

1.の立ち位置確認については母集団が重要になります。また”志望校判定”であればその判定基準も重要です。まず母集団についてですが、志望校判定テストは小5組分けテストの2/3程度の人数でしかなく、合不合判定テストと比べると半分くらいの母集団にしかなりません(小4はさらに少ない人数)。となると、組分けテストのように四谷大塚カリキュラム生全体での立ち位置でもなければ合不合判定テストの立ち位置でも当然なく、ここで出される偏差値は、たまたま今回受験した母集団の中での立ち位置でしかない、ということになります。

そして肝心の”志望校判定”ですが、判定に使われているのはあくまでも合不合判定テストから導き出される四谷大塚の学校偏差値をベースにしており、母集団が違う基準を使っているためあまりアテにはなりません。判定の信頼度という観点で言えば、母集団の大きい組分けテストの方がまだましと考えた方がよいでしょう。(過去の受験生の4・5年生時データなどを使って判定してくれるのであればもう少し価値は出そうですが、現時点ではそうなっていないと思います)

2、3に関しても、まだ単元学習中の4・5年生にどれだけ効果があるかと考えると微妙と言わざるを得ません。唯一ありそうなのは試験慣れですが、これは毎月の組分けテストでも経験できますし、6年生になってからでも十分間に合うものだと感じます。

ということで、紹介してきた割に元も子もない結論になって申し訳ありませんが、4・5年生で受けるメリットはほぼないだろうというのが私の結論です。それよりは日々の学習を頑張って土台を作るべき時期ではあると思います。

ただ、実のところ我が家では4年時も5年時も、この志望校判定テストは全て受験していました。それは本人の意思ではなく、単に「親が受けさせたかったから」に尽きます。そして、それがこのテストが開催されている理由でもあると思います。どこの塾でも似たようなものがありますが全て同様です。

受験生親には、”志望校なんとか”というワードはとても響くんです。内容云々は関係なく、それだけで何となく受験生気分になるとか、志望校に近づくのではという気にさせてくれるキラーワードだと思います。塾の方もそれを十分に理解していて、本来なら6年生でも十分な内容を敢えて4・5年生で開催し、親の焦る気持ちを吐き出す場を用意してくれていると考えるのが最も合理的な見方だと思います。

まあそうは言っても気持ちはよくわかります。私も受験させた側なので。また塾から(ほぼ)強制的に受けさせられているケースもあると思います。なので少し冷静に、この試験を受けることで起こるマイナスポイントを考えてみます。大きくは次の2点でしょう。

  1. 子供の時間が取られること
  2. 成績を見て間違った行動を起こすこと

1はまあ良いというか仕方がないとして、2点目が特に危険なポイントかなと思います。よくわからない母集団での偏差値など何の参考にもならない、と開き直って見るくらいで丁度良いと思います。

とりあえず、上に書いたような背景を理解し、過剰な反応をしないように気をつけながら、受験したければ受験するというスタンスでいきましょう。というのが、受験の渦中から離れて冷静になったいま言えるアドバイスかなと思います。

まあ受けてみないと様子もわからないので別に受けること自体は否定しなくていいと思いますが、その時間を単元学習に充てた方が本来は良いのだと思います。繰り返しますが、あくまで「子供のため」ではなく「親のため」もしくは「塾のため」のテストであると認識して、変に踊らされることのないようにだけは気をつけたいかなと思いますね。

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