各塾の2023年入試結果偏差値が発表されてきました。学校選びのひとつの尺度として偏差値はいまや外せないもので、偏差値表を眺めながらあれこれ考えることも多いとと思います。
偏差値の見方とか個別の学校の上下などは色々な情報があるのでそちらに任せるとして、ここでは純粋に偏差値表を眺めてみたいと思います。そして前年度と比較することで見えてくるものが色々あるので、その辺りを深掘りしていきたいと思います。
- 2023年入試の動向を知りたい
- 偏差値表から得られる情報を増やしたい
- 偏差値表を見て楽しみたい
2023年の入試動向を確認する、と言えば聞こえはいいですが、まあ偏差値表を色んなかたちで見ながら勝手な憶測をするというのが趣旨なので、長いですが気軽に楽しみながら見ていただければと思います。
また、他塾の偏差値を見ている人は意外に少ないと思うので、この機会にチェックしてみるのも良いのではないでしょうか。
記事の全体構成
- 【ページ1】
偏差値表から見えてくるイメージ - 【ページ2】
偏差値表を色付けしてわかりやすく
(2月1日入試の各偏差値表) - 【ページ3】
(2月2日・3日入試の各偏差値表) - 【ページ4】
偏差値表を比較してわかったこと
(偏差値の出し方の違い、SAPIXについて等)
*ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。
偏差値表から見えてくるイメージ
各塾の偏差値をくまなく分析、でもいいですが、全体感を俯瞰して見ているとなんとなく見えてくるイメージがあります。
2月1日男子の実況中継
まずは四谷大塚80偏差値表をご覧ください。
漠然と全体を見ているといくつかの集団があって、微妙に動きがあるのが見えてきませんか。ちょっとこの集団の動きを箱根駅伝風?に実況してみます。
こんな感じですかね。
ここで気になったポイントは以下の2点です。
- 渋渋が集団から一歩抜け出し2番手を伺うポジションにつけた
- 広尾・サレジオ・芝・本郷でひとつの集団を作った
これが2023年の四谷偏差値における動きと言えそうです。
何が言いたいのかというと、これでこっちの学校が上だとかこっちの学校が下になったとかいう下世話な話も面白いですがそうではなく、偏差値表を見ている人の意識がこんな感じになるよね、ということです。そしてそれが志望動向にも影響してくるんじゃないかということです。
具体的な例で考えると、3番手集団のどこかの学校が第一志望だけど現実的には厳しそうという人がいたとして、2022年の偏差値表だと後続との間に大きな差があったので、多少無理があっても2月1日はチャレンジする(別日程で現実的ラインをカバー)といった動きを取りやすいのが、2023年の表を見ると4番手集団の学校でいいんじゃないかと考えやすくなる、といったイメージです。
実際の学校自体は変わっていないんですが、こうしたちょっとした心理的な違いが志望動向を変えるんじゃないかな、というのが私の仮説です。
まあ中受オタクおっさんの妄想かもしれないですが、そんな目線で見ても面白いんじゃないかと思って見ています。でその目線で見ると、この先この集団で固定になるのか、それとも3番手集団と4番手集団での入れ替えが起こるのか、麻布・渋渋の2位争いの行方とさらにそこに殴り込みをかける学校が現れるのかなども注目したいところです。
2月1日女子の実況中継
さてお次は女子ですが、こちらもなかなか興味深いです。

2022年入試通過時点の状況:
先頭は桜蔭ですがほとんど差はなく、JG・渋渋・早実との4校で先頭集団を形成しています。やや離れた単独2番手が雙葉、そして3番手に神奈川のライバル2校が互いを牽制しながら追いかけています。
そのあと4番手は、吉女・広尾・鷗友・頌栄の4校が一団を形成し、さらに後ろは立教女学院を先頭とする大きな集団が追随している、といった状況です。

2023年入試通過時点の状況:
トップは変わらず桜蔭ですが、先頭集団は3校に絞られました。続く2番手には、先頭集団から遅れた早実、そして雙葉、さらにはフェリスを振り切って上がってきた洗足の3校が一団を作り始めました。
その後ろですが、4番手集団から抜け出した吉女と広尾がフェリスに追いつき、この3校で新たな3番手集団を形成しています。
そして4番手集団は、後続に飲み込まれるかたちになってそこから大集団へと続く、やや混沌とした状況になってきました。
はい。ポイントは以下3点ですかね。
- 洗足が大きく抜け出し、早実・雙葉と3校で2番手集団を形成
- 4番手集団は解散し、吉女・広尾・フェリスで3番手集団を形成
- その後ろは混沌としてきている(次の集団形成の準備?)
こういう配置になると、先頭集団と2番手集団とを合わせてトップ校というイメージになり、洗足学園はトップ校の一角として認識されそうな気がします。
そして3番手集団がこの3校で固定するのか、鷗友・頌栄の巻き返しがあるのか、東洋英和の復権(?)などにも注目したいところです。
まあ見方のひとつとして、こんな風に見てみても面白いんじゃないでしょうか。
次からは各偏差値表に色付けして見てみます。
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