【偏差値】塾偏差値の横比較〜四谷大塚•日能研・サピックス〜

塾偏差値表の比較 受験校選びのTIPS

前回の記事(【偏差値】2022年と2023年の各塾の偏差値表を比較してみた)の続きです。

前回は前年度と比較しましたが、今回はそれぞれの偏差値表を横並びにして比較してみます。

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比較方法

学校のリストからプラスマイナスしようかとも思ったんですが分かりづらいので、偏差値表に近い形式で並べることにしました。ただ、塾ごとの母集団の違いもあって同じ値で並べても比較にならないので、ちょうどいい塩梅になるところで揃えることにしました。

結果的には、日能研R4を基準として、

  • 男子:四谷大塚は−1、SAPIXは−8
  • 女子:四谷大塚は+1、SAPIXは−8

というところで落ち着きました。

四谷大塚と日能研はほぼ同じ偏差値として語られることが多いですが、四谷大塚は男女別、日能研は混合の偏差値を使っているという違いがあります。(サピックスも男女混合)

ざっと並べて一番ズレが少なそうなところで偏差値調整したところ上の感じになりました。何かロジックがあって決まったわけではなく、横に比較してみて一番収まりが良さそうなのがこれだったという程度のものなので、異論は受け付けます。

まあ説明より見た方が早いので、さっそく表を見てもらいましょう。

偏差値の横比較 男子

2月1日午前

男子の2月1日午前入試は以下のようになりました。

赤字:相対的に高い偏差値がついている学校(入試回)
青字:相対的に低い偏差値がついている学校(入試回)
グレー:偏差値データ不足(3塾分が揃わなかったところ)
SAPIXは2023年第1回志望校判定サピックスオープンの偏差値より

色付けしているのは、他の2つの偏差値表と比べて明らかに高い(低い)入試です。差分が1ポイントを超えるものについて、高ければ赤字、低ければ青字としています。

例えば駒東を見ると、四谷大塚では65、日能研では66で同ラインに並んでいますが、サピックスの同ラインは57でそこより2ポイント上なので赤字になっている、という感じです。武蔵の場合も、四谷大塚と日能研は1ポイント差なので誤差の範囲とし、サピックスだとそこから2ポイント上なので赤字になっている、と見ていただければと思います。

ただし、サピックスだけは偏差値1単位が相対的に小さく、上位に赤、下位に青が大きく出てしまうので、上下両極の学校はやや割り引いて見る必要がありそうです。

個別に4ポイント以上の差がついたところだけピックアップしてみます。

  • 世田谷学園①:四谷大塚(4〜5ポイント高)
  • 開成:サピックス(3〜4ポイント高)
  • 逗子開成①・広尾小石川①:サピックス>日能研>四谷大塚(4ポイント差)
  • 都市大等々力①:日能研>四谷大塚>サピックス(7ポイント差)
  • 桐朋①・開智日本橋①・法政大①:日能研>四谷大塚>サピックス(4ポイント差)
  • 法政大①・青学横浜英和A・高輪A:サピックス(3〜4ポイント低)

まあ挙げてみたところで何かコメントできる感じもしませんが。(サピックスの開成を含む上位校はやや異常値だと個人的には考えています。詳しくは前回記事で少し触れました。)

偏差値の違いが塾の合格実績と相関でもあるかと思ったんですが、複数回入試のところが多く2月1日だけの合格者データがないので、これ以上調査はできませんでした。何か考えられる方がいれば考えてみてください。

2月2日午前

赤字:相対的に高い偏差値がついている学校(入試回)
青字:相対的に低い偏差値がついている学校(入試回)
グレー:偏差値データ不足(3塾分が揃わなかったところ)
SAPIXは2023年第1回志望校判定サピックスオープンの偏差値より

こちらもサピックスの上の方が高く見えすぎている感じなので割り引く必要がありそうですが、そこ以外は大体3ポイントに収まっているので、横比較するには妥当な感じがします。

赤字・青字のところでちょうど分かりやすい例をひとつ挙げると、日能研59に世田谷②と明大明治①が並んでいますが、これをサピックスで見ると世田谷②が48、明大明治①が55ということで7ポイントも差があります。四谷偏差値を比べてみると、日能研がちょっとズレているのかなという気もしますが、実際何が正しいかというのはよくわかりません。ただ、ひとつの偏差値表だけを鵜呑みにすると選択を誤るかもしれない、ということだけは言えるかと思います。

偏差値の横比較 女子

続いて女子です。

2月1日午前

赤字:相対的に高い偏差値がついている学校(入試回)
青字:相対的に低い偏差値がついている学校(入試回)
グレー:偏差値データ不足(3塾分が揃わなかったところ)
SAPIXは2023年第1回志望校判定サピックスオープンの偏差値より

女子の方は、サピックス上位校のズレは割と少ないので、このまま横比較してもOKかなと思います。

  • 東洋英和A・成蹊①・横浜共立A:四谷大塚(3〜6ポイント高)
  • 青稜1A・法政大学①・青学横浜英和A・明大八王子A1:サピックス(3〜5ポイント低)
  • 公文国際A:四谷大塚>サピックス>日能研(4ポイント差)
  • 都市大等々力①・開智日本橋①:日能研>四谷大塚>サピックス(4〜6ポイント差)

個別にはまあよくわからないので、それぞれの立場でご検討ください。(サピックスの桜蔭だけはちょっと別かなと思っています。詳しくは前回記事にて。)

2月2日午前

赤字:相対的に高い偏差値がついている学校(入試回)
青字:相対的に低い偏差値がついている学校(入試回)
グレー:偏差値データ不足(3塾分が揃わなかったところ)
SAPIXは2023年第1回志望校判定サピックスオープンの偏差値より

男子と同じく、2月2日日程だとほぼ3ポイント差に収まっているので、横比較するにはこれで良い感じがします。例外は帝京大②(5ポイント差)だけです。

まとめ

以上、塾偏差値を横並びにして見てみました。

受験にあたって偏差値というのは絶対的な指標のように見えますが、塾によって出方にだいぶ違いがあるというのは見てこれたかと思います。

あと、違いがあるのはわかったけど、だから何?で、どう考えればいいわけ?という感じもしなくないです。最後にそこについて少しだけ考えてみます。

例えばこんなところですかね。

  • 他塾よりも過大評価・過小評価されているかもしれない
  • 偏差値が低い=不合格者が出づらい⇒他塾より受かりやすい?

1点目は、実態よりも難しい学校だと思って諦めてしまうとか、逆にここなら大丈夫だろうと思っていたら足元をすくわれたとか、そういうところへ繋がっていく話かと思います。

基本的には受けた模試で出てくる偏差値表を使って志望校(併願校を含む)を考えることが多いんじゃないかと思いますが、上の観点から、他塾生にはこう見えているということも意識してみるのもいいのかなと思います。

2点目は全く根拠が怪しいですが、理屈上はこういう風にも言うことができると思います。ただそもそもサンプル数(受験者数・合格者数)が少なくて異常値になっている可能性などもあるので、あまり良い考えではないかもしれません。

いずれにせよ、やっぱり偏差値に振り回されすぎないようにはしたいですね。

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