【塾選び】春期講習の比較(サピックス・早稲アカ・四谷大塚・日能研)

春期講習比較 塾・サービスの比較

前ページ【4年生】からの続きです。

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4. 3年間トータルでの比較

総授業時間数と費用

サピックス早稲アカ四谷大塚日能研
3年間総時間数3,240分6,080分4,800分4,480分
3年間総額110,550円168,100円154,550円114,774円
6年生46,200円67,000円91,850円68,574円
5年生33,000円61,500円31,350円29,480円
4年生31,350円39,600円31,350円16,720円
*早稲アカは内部生の金額
*四谷大塚は標準クラス(5年生Sコース生は+800時間/+25800円)
*日能研は標準コース(応用コース・発展コースは不明)

最も時間数の少ないサピックスと、最も時間数の多い早稲アカで倍近い時間数の差があります。

また、グラフにすると一目瞭然ですが、四谷大塚と日能研では6年生になると一気に時間数が増えるというのが分かります(上位クラスはこの限りではないかもしれませんが)。

受講費用は、意外なことに(?)サピックスが一番安くなります。まあ時間数が圧倒的に少ないので、この講習に限って言えばこんな感じでも不思議ではないかもしれません。

インフレ下での値上げは?

最近いよいよインフレの足音が聞こえてきたので、塾業界はどうなるのか?というところが気になり調べてみました。

2022年→2023年でどう変わったかを表に追加すると以下の感じです。

    サピックス早稲アカ四谷大塚日能研
6年生42350円(+550円)64000円(+3500円)74250円(+0円)67650円(+2508円)
5年生31350円(+550円)58400円(+2900円)25850円(+0円)29480円(+1584円)
4年生29150円(+550円)37500円(+1800円)25850円(+0円)16720円(+1122円)
*データは各塾のWebサイトより

四谷大塚のみ値上げなしで持ちこたえていますが、それ以外は世の流れに抗えず値上げとなっています。

まあ毎年同じ学年に留まる人はいないので、値上げはしやすい業界の感じはしますが。値上げ幅はサピックスが一番少なく各学年で同額なので、相対的にサピックス6年生は割安になっているかもしれません。まあ元々の単価が高いので差が縮まった程度でしょうが。

5. 塾別に見てみる

最後は塾ごとに見て、何か特徴があるか考察してみます。

SAPIX

サピックスは4・5年生が午前中で6年生が午後と、授業時間が綺麗に分かれています。6年生でも半日で授業は終わるので、“授業→家庭で復習”というサイクルが作りやすいのはとても良いと思います。

カリキュラム的に単元学習が進んでしまうので、春期講習を休むという選択肢はサピックス生にはそもそもないと思いますが、あまり特別なことは考えず塾に合わせて学習サイクルを作って淡々とこなしていく、というのがサピックスのスタイルではと思います。

テキストも良いし、算国:理社の比率とか特に気になることもないので、そういう意味では、塾に上手く乗せることさえできれば(ある程度学力があって塾の授業についていける、家での復習も問題なくこなすことができるという意味)、親は余計なことを考える必要がなく楽、と言えるのかもしれませんね。
ただ逆に言えば、その学習サイクルが上手く回っていないと良さを活かせないとも言えそうです。

自宅学習組が講習だけを受けるという視点だと、春期講習は通常単元で特別感はないので、これを機にサピックスへ入塾するという選択以外ではあまり適さない感じがします。

早稲田アカデミー

早稲アカは全学年とも8:50スタート、5・6年生は日中時間帯のほぼ全部使うというのが大きな特徴で、要は学校へ行く代わりに塾に通いましょう、というイメージで捉えられます。
日中家に誰もいない家庭ではありがたいでしょうし、休み中に生活リズムを崩さないという観点でも良いと思います。

懸念は家庭学習の時間を取れるのが夕方以降だけになる点です。
塾だけで完結できれば良いのですが、塾だけだと演習時間が不足するので家でも復習時間を取った方が本来は良いはずです。

ただここに家庭学習の時間を入れ込むと、6年生の夏休み以降ならまだしも、この時期の6年生や5年生ではちょっとハード過ぎて疲れてしまわないかという懸念を感じます。
その辺りを気にしつつ上手いサイクルを作るというのがひとつのチャレンジかなと思います。2科目の受講もできるので、自宅学習できる人は2科目にするというのも一つの選択かもしれません。

自宅学習組が講習だけを受けるという視点では選択しやすいのが早稲アカだと思います。特に予習シリーズベースで学習していれば単元もずれないし、2科目受講など融通も効くので受けやすいです。時間数のボリュームもあるので、刺激を受けたいという目的にも合いそうです。

四谷大塚

*時間割は過去データを元にした一例です

四谷大塚は6年生と4・5年生で時間数に大きな差があります。

4・5年生は日程も時間数もだいぶ緩いので通わせやすいでしょう。ちょっと算国が少ない気がしますが、まあ全体の時間数も少ないので過度な期待はせず、必要があれば家庭でフォローすれば良いと思います。

6年生は逆に朝から夕方までビッシリの早稲アカ型でちょっとハードです。おそらくタブレット演習などでさらに居残ったりすることも多い塾なので、早稲アカよりさらに家での勉強時間が取りづらいと考えられます。
まだ受験まで1年もあるので、逆に勉強時間の取り過ぎで疲弊しないように注意ですかね。復習も含めて塾にお任せというのもアリですが、まあそれで伸びるかどうかは運次第な気はします。

あとは6年生の開成・桜蔭特別講習と、5年生のSコース生講習の存在ですね。
6年前半の志望校別コースは開成・桜蔭しか設定していないところから見ても、上位生を自ら鍛えて開成・桜蔭へ導きたい(合格者を増やしたい)という塾側の強烈な意志を感じます。

自宅学習組が講習だけを受けるという視点では、そもそも外部生を受け入れているかも微妙なのと、上で書いたような一長一短があるので積極的には選びづらい感じがします。進学くらぶ(四谷大塚の通信講座)なら、塾と同じテキストと動画授業が付いてくるのでそもそも不要ですね。

日能研(標準コース)

*時間は校舎によって異なることがあります
*時間割はある校舎の一例です

学年ごとや科目ごとの時間配分など四谷大塚と似ている部分が多いので、四谷大塚で書いた内容も参考にしてください。
基本的には4・5年生は軽く、6年生は逆に重い(やや重過ぎ)な傾向があります。

ここに挙げているのは標準コースの情報であり、応用コース・発展コースは別設定されています。私個人も日能研についてはそれほど詳しくないのでこのくらいにしておきます。すみませんが、できれば別のソースを参考にしてください。

6. まとめ

以上、中学受験の大手4塾と言われるサピックス・早稲アカ・四谷大塚・日能研の春期講習について比較しました。

横並びで比較することで、日程や時間数、費用などの違いがわかりやすくなるとともに、それぞれの塾の考え方の違いなども見えてくるかと思います。

春期講習を受けるかどうか迷っている方、これから塾をどうしようかと比較検討している方などの参考になればと思います。

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