塾を選ぶにあたって、カリキュラムや合格実績、通いやすさなども基準に選ぶと思いますが、どのくらいお金がかかるかも大きなポイントでしょう。
塾のサイトにいけば毎月の授業料は確認できますが、全体感からすればそれはかかる費用の半分程度でしかありません。
この記事で4〜6年生でかかる費用の項目と金額を把握しておくことで、実際に1年間、そして3年間トータルでどのくらいのお金を準備しておくべきかがわかります。
- これから中学受験を考える方
- 6年生までの全体像がまだ見えていない方
- 他塾の様子が気になる方
別に特定の塾や塾業界に対する利害はないし、塾通いや中学受験自体を否定したいわけでも推奨したいわけでもありませんが、後々になってお金が足りないとか、コンコルド効果で受験から降りることもできず身動きが取れなくなるなどといった事態にならないよう、予め全体感を把握しておくことは重要なことだと思います。
各塾のスケジュールと共にまとめていますので、受験までのロードマップを確認するのにもお役立ていただければと思います。
首都圏の4大塾と呼ばれる大手4塾を取り上げていますが、他の塾でも項目自体は大きく変わらないと思うので参考にしてみてください。
記事の全体構成
- 4〜6年生の3年間でかかる費用[ページ1]
- スケジュールと費用の比較[ページ1]
- 塾ごとの深掘り[ページ2]
- まとめ[ページ2]
*ページ分けしているため、各ページの目次ではページ内の項目のみを表示しています。
1. 4〜6年生の3年間でかかる費用
細かいデータは後で見ることにして、今回は結論から書いてしまいます。次のグラフの通りです。

新年度の費用発表前のものは昨年度のデータを使用しています
4〜6年生の3年間で200万円後半から300万円強というのが試算した金額です。この中には月々の授業料に加え、季節講習、志望校別特訓などオプションの大部分が含まれています。
なお、後期志望校別講座や冬期講習は2022年のデータを使っていて、今年は各塾ともインフレに伴い価格改定をしているので、実際はこの数字よりもやや上振れすると考えておいた方が良いと思います。
受講すべきものを取捨選択したいという声もあるでしょうし、そもそも本当にこんなにかかるのか?という疑問も湧くと思いますので、具体的にいつ何があって費用が発生するのかをこのあと見ていきます。
2. スケジュールと費用の比較
学年ごとにスケジュールとそれにかかる費用を一覧で比較します。まずは検討している、もしくは既に通われている塾を縦方向に見てこの先何があるのかを確認し、プラスで横比較することで他塾との違いが見えてくるかと思います。
まずはシンプルで分かりやすい4年生から見ていきます。
4年生のスケジュールと費用

冬期講習などは2022年の数字です
4年生は通常授業にプラスで春・夏・冬の季節講習というのが基本で、金額も50〜60万円強というところで、塾による違いはほとんどありません。ちなみに日能研は授業料以外に教材費やテスト費用が分かれて書かれているのですが、これらは必須と考えられるので、まあこんなものでしょう。
選択オプションなどもほとんどないですが、早稲アカ・四谷大塚・日能研は夏期講習にプラスして夏期の特訓講座があるので、人によって受講するものに差が出るとすればここかなと思います。塾からは必修とされているのでここでも合計金額に含めていますが、欠席届を出せば受講しない選択も取れるはずです。(個人的な主観では小4段階でこの手のものを受講する意味があるかは微妙だと思っています。)
5年生のスケジュールと費用

冬期講習などは2022年の数字です
5年生もまだ4年生に近く、追加オプション講座は少ないです。通常授業と季節講習以外では、早稲アカ・四谷大塚・日能研に4年生と同様の夏期特訓講座があるのと、早稲アカ・四谷大塚に正月特訓があるのが横比較したときの違いとなります。人によって差が出るのは(削っても大きな支障がなさそうなのは)この辺りだと思います。
年間でかかる費用を比べると大体80万円前後ですが、早稲アカのみが100万円超とやや抜けて高くなっています。これは通常時に土曜YT講座(四谷大塚の週テスト)が必須オプションになっていたり、季節講習の受講時間が長くそれぞれの費用が高いことが原因です。(夏期特訓や正月特訓を休めば10万円ほどは削減できます)
6年生のスケジュールと費用

志望校別講座や冬期講習などは2022年の数字です
6年生になるとスケジュール表がかなり賑わってきますね。大きくまとめると次の3種類です。
- 通常授業+季節講習
ここは塾ごとの差はあまりありません。四谷大塚のみ、学校別コースの費用が後期授業料に含まれるため若干高めになっています。 - 模試(青字部分)
それぞれ名称が違い回数も若干違いますが、金額も高くないしこれも大きな違いはありません。 - 志望校別コース(紫部分)
最も差が出るのがこれです。個別の情報は後ほど触れますが、前期からコースがあるのが早稲アカと日能研で、サピックスと四谷大塚は夏休み後半からというのがスケジュール上の大きな違いです。
スケジュールの違いに比べて塾ごとの費用差はそこまで大きくなく、135〜150万円位に収まります。四谷大塚が多少安いくらいでしょうか。
6年生は他の学年に比べると、志望校別コースを中心に選択オプションは多くなります。ただ、志望校別コースは難関校が中心ではありますが、複数の学校を抱き合わせてコースが設定されていたり、学校の冠名のない特訓講座を受講することになったりで、結局なにがしかの講座をとることになるケースがほとんどなので、人による費用差も意外になさそうです。
3年間の費用まとめ
学年ごとにスケジュールを見てきましたが、こんな感じでトータルすると300万円近くにはなるという感じです。授業料以外にかかる費用が結構あるんだなと感じる方も多いのではと思います。
季節講習や志望校別コースなどオプション的なものは受講しないという考え方もあるとは思いますが、周りが皆参加する中で自分だけ受けない選択をするというのは、色んな意味で勇気というか強い意思が必要です。お金をかけて塾に通わせている以上、成績やクラス分けはなかなか無視できないので、季節講習を休ませるなら代わりに親が主導して学習を進めるなど、何らかの代替策は必要になるでしょう。(代わりに個別指導を頼むなどは良い選択だと思いますが、当然費用は高くなりますね)
さらに言えば、費用面ではこれがベースラインである、ということですかね。塾と家庭学習だけで滞りなく学習を進めていけるならベストですが、今どきの中学受験では(内容がどんどん難しくなっているのもあって)それがなかなか難しかったりします。そのため、これにプラスして個別指導や家庭教師を付けている家庭が非常に多くなっているのが現状のようです。
これは各塾がグループ内に個別指導塾を持っていることからもわかります。ちなみにこんな感じ。
そういったことも考慮に入れ、予め資金計画を立てておいた方が良いでしょう。
続いて塾ごとに少し深掘りして見てみます。
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