今年度最後のサピックスオープンですね、受験された方はおつかれさまでした。昨日行われた合格力判定サピックスオープンについて、基本情報と共に動画講評の要約をまとめて残しておきます。
2022年 第4回合格力判定サピックスオープン
そもそも合格力判定サピックスオープンとは何か?については次の記事を参考にしてください。
基本情報
日時:
2022年12月4日(日)
科目・時間・配点:
科目 | 午前の部 | 午後の部 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|---|
国語 | 9:00〜9:50 | 13:30〜14:20 | 50分 | 150点 |
算数 | 10:00〜10:50 | 14:30〜15:20 | 50分 | 150点 |
社会 | 11:00〜11:40 | 15:30〜16:10 | 40分 | 100点 |
理科 | 11:50〜12:30 | 16:20〜17:00 | 40分 | 100点 |
中学校会場
試験会場はサピックス校舎のほか、中学校会場を選択することが可能です。
*学校説明会は模試の申込とは別に、マイページ「イベント申込」から申し込む必要があります。
スケジュール
申込スケジュール
サピックス生
抽選申し込み開始 | 10月6日(木) 10時 |
抽選申し込み締切 | 10月12日(水) 10時 |
抽選結果発表 | 10月14日(金) 10時 |
申し込み開始 (抽選申込ができなかった方) | 10月16日(日) 10時 |
申し込み締切 | 11月22日(水) 10時 |
一般生(個人申込)
申し込み開始 | 10月20日(木) 10時 | |
申し込み締切 | 中学校会場 | 11月25日(金) 10時 |
---|---|---|
サピックス校舎会場 | 12月3日(土) 10時 |
試験結果公開スケジュール
マイページ | 採点前答案 | 12月5日(月) 15時 |
---|---|---|
採点後答案・成績速報・合判資料 | 12月7日(水) 15時 | |
入試動向動画 | 12月17日(土) 10時 | |
合判ガイド | 12月28日(木) 15時 | |
個人成績票 | サピックス生 | 12月10日(土)の授業時 |
一般生(個人申込) | 12月11日(日)頃に普通郵便にて発送 | |
一般生(塾申込) | お通いの塾より |
合判資料…個人成績票の見方や今回のテストの志望状況を掲載した資料
合判ガイド…最新の入試動向資料
成績速報の公開後、マイページにて志望校判定のシミュレーションが行えます。各科目の得点と志望校を入力していただくと、偏差値・順位・合格可能性を概算して表示いたします。
2022年 結果
受験ドクター講評
受験ドクターの講評を簡単に要約します。
国語
全体講評・平均点予想
- 平均点は高かった予想、95点前後
[1][2]漢字・語句
- 漢字は難しかった、5:深層心理、7:体勢、9番などは間違えやすい
- 漢字は7割は取ってほしい
- 多義性の”義”は”意味”という意味だというのは覚えておくといい
- 一過性、先天的・後天的はおさえておきたい
- 外来語はよく使う言葉なので知らないものがあればしっかり覚えておく、文章まるごとで覚えておくと良い
- 語句に関しては通常通りのレベルだった
[3]論説文
- 随筆的論説文
- サピックスの問題は対比されているものがほとんどでこれもそう
- 人間と人間以外の生物の時間感覚は全く違っている、直進方向の時間と循環方向の時間という哲学的な意味がある
- 死を扱った哲学文章はサピックス生は相当読み込んでいるはずで、知識が固まっている分野だったのではないか
- 循環はゆったりした自然の流れ、直線なのは人工的な時間の流れというのが対比としておさえられれば、読みがずれることはなかったのではないか
- 問1:難しかった、型通りいかないので時間がかかったのではないか
- 問2:”の”は中高でも重要なのでしっかり確認しておくといい
- 問3:どこを指しているかはわかるが、正しく翻訳されているものを選ぶところで苦労する、”大都市に住んでいることで何かのステータスになっている”というのが読み取れているかがポイント
- 問4:同じ内容で体言が違うところがあったので、同じ意味の別のところを探した、素早く処理するためにも文のかたちは気を付ける
- 問5:難しかった、”太陽の存在感が薄い”→”太陽がなくても生活できる”と翻訳できたかどうかがポイント
- 問6:「自然の時間とは〜、人類の生きている時間とは〜、という違いがある」という記述の型を作ってから当てはめて書いていく
- 問7:”自明の理”はそのまま覚えておく、”理(ことわり)”の意味は確認しておく
- 問8:簡単だった
- 問9:簡単だった
- 問10:簡単だった(が正答率は高くなさそう)
[4]物語文
- 今回の物語文は簡単だった
- 問1:全て簡単だが”やおら”を知らなければ覚えてください
- 問2:憂鬱というのは沈むイメージというところから選ぶ
- 問3:この言葉の本当の意味は、祖父の言葉と合わせてかおる自身の言葉とあとで重なってくることから逆照射して捉えなければいけない
- 問4:簡単
- 問5:間違えた人はいそう、例えられたものの姿をきちんと捉えてほしい
- 問6:糸が切れた後にやったことを考えると”腹が立った”が素直に出てくる
- 問7:しっかりとかおるの主張を捉えていれば簡単だった
- 問8:アとオはすんなり選べたと思うが、完答なので最後まで気を抜かずに
- 問9:文章を全体を踏まえて問題は必ず心情変化として問題が出されている、「最初は〜だったが、こういうきっかけがあって〜にかわった」というのが王道
理科
全体講評・平均点予想
- 時事的な内容、確認してほしい知識、解きにくい計算など
- 前半で時間と点数を稼ぎ、後半でじっくり計算で点数を取ることができたかどうかで点数が分かれただろう
- 平均点予想は55〜60点の間
[1] 化学(金属の性質)
- (2)金箔という単語を思いつけたかどうか、(3)金山→佐渡、(4)都市鉱山
- 前半の知識問題で時間を稼ぎ、(8)の計算で時間を使えたか
[2] 生物(人体)
- 志望校で過去出たことがなくても他の学校で出た問題は参考にされる可能性がある
- 細かな知識中心で他の問題との関連で解くものもあった、選択肢中心なので時間をかけずに解きたい
[3] 地学(気象)
- 低気圧も高気圧もSの形になるのは覚えておくといい
- ラニーニャ、エルニーニョは大事なので今回の問題で確認できたのではないか
[4] 物理(電熱線)
- (1)(2)は素早く解いて(3)以降しっかり
- (5)〜はかなり難しめなので、先に大問5へ行くのがおすすめ
[5] 地学(惑星)
- 今年は6月に東の空に惑星が一列に並んだというのがあり惑星が問われる可能性は高い
- この辺りに時間を取って文章を読み解くことができるよう、時間が足りなかったお子さんは知識問題を素早く解けるよう知識の再確認を
[6] 物理(光)
- (1)①は知識、③は少し難しい
- フィゾーの実験もよく出てくる、後半時間がなかった場合は再度解いてほしい
社会
全体講評・平均点予想
- 公民・歴史・地理全般的に出題、歴史は一番解きやすかった
- この時期なら相当程度取れたのではないか
- 平均点予想は50台半ば、55くらい
[1] 公民・時事問題
- インフレ・デフレ、利上げ・利下げ、円高・円安のメリットデメリットを確認
- イギリスの首相は再度変わっているので直近の首相についても確認
- 投票権、国民審査の投票用紙を見たことのない生徒は画像検索して一度見てみるとよい
[2] 地理
- (2)全ての島の白地図、即答できるように
- ドーナツ化現象→都心回帰となり人口が増えている区があるところもおさえておく
[3] 歴史
- (9)-2 鉄道100周年があったのでそれに絡め、1866〜73年くらいまでは一つ一つの政策と年号を照らし合わせてほしい
- 朝鮮戦争の境界北緯38度線が日本列島だとどの辺りかはもう一度地図で確認
算数
全体講評・平均点予想
- 全体を通して歯応えがあり、エラーを起こさず自分が戦えるところでしっかり戦っていく構成であるところに変わりはない
- 自分がミスしやすいところを意識して修正できることが本番で重要
- 平均点予想は75〜78点
[1]計算
- 計算をまとめる問題、全部をまとめられないので一部分だけをまとめる細かい工夫を意識
[2]小問集合
- (1)〜(2)はしっかり取る、条件をしっかり読む
[3]図形
- (3)はちょっとややこしかった、折り返したラインは直角に折り目と交ざるのがポイント、青学など折り返しを好む学校があるのでおさえておく
- (4)3.14はそれぞれ計算せずにまとめて最後にやる
[4]数の性質
- (1)”何番め”の場合は周期で取った方が取りやすい(もうひとつは集合で考えるやり方)
- (2)1,3,5と奇数の足し算が並んだときは和が平方数になる、というのは即座に反応できるように
[5]流水算
- 休憩をはさんで何度も往復する場合はダイヤグラムを使うのが一番いい
- ダイヤグラムを書くとき、高さはおさえて横に延ばした方がダイヤグラムがなだらかにきれいに見えてくる、到着時刻は上なら上に数字を書いてしまえばいい(細かいコツ)
- ダイヤグラムではまず相似を見つけるが、”逆比を取る”ことを見つけると相似がない問題でも三角形を見つければ解いていける、ダイヤグラムの応用問題ではおさえておきたいポイント
- 今回の問題はそこまでの難度はないのでぜひ取りたい問題
[6]文章題
- あわてて考えると引っかかりそうな危ない問題
- 条件を書き出して比を出していくが、出た比は重さの比なのでここで飛びついて答えにしてしまうと間違える
[7]水グラフ
- 時間があれば(1)は解けたのではないか
- 残り時間を考えると(2)(3)は難しかった
コベツバ講評
コベツバによる算数の講評はこちらです。
算数
- レベルAが約6割、レベルCが[7]-(3)、残りがレベルBという標準的な構成
- ド典型問題の基本というものではなく、少しひねった出題でどうかを問う問題で、そこの壁を越えられないと大崩れする人が多そう
- 入試ではこういう出題になるので、このレベルが取れるかどうか、特にレベルAがしっかりと取れるかどうかが最低限重要になる
- レベルBに関しては、そこそこ骨がある、応用でよくある問題に対しての対応力が問われた印象
- 7-(3)は、去年関東の最難関のどこか2つくらいで出た仕事算ぽい問題を彷彿とさせる問題、速さの概念を使いながら解いていく、単元の壁を越えて考えるような問題
- 5は一手目からダイヤグラムを書いていけばおしまい、みたいな話だった
- 6はミスしないでほしいなと思った
- 2-(6)、連比の応用問題は典型で、食塩水と絡めての有名なパターンがある(早稲田や洛南などで出たことがある)、間違えた人はしっかりおさえてほしい
本家のサイトで詳しい難易度が公開されています。また、[1]〜[4]までの解説が無料配信、[5]以降は有料で配信されています。
【速報】第4回合格力判定サピックスオープン 平均点・動画解説・難易度分析(23年12月3日実施)
【2023年12月3日実施 第4回合格力判定サピックスオープン】3年先まで予約で埋まった元プロ家庭教師が作成。「解説を読んでもわからない・もっと効率的な解き方で解きたい」方におすすめです。最後の合格力判定サピックスオープンです。受験まであと...
さいごに
これで持ち偏差値の基準となる模試がひと通り終わったことになります。お疲れさまでした。
それぞれの動画内でも何度か触れられていたと思いますが、点数や偏差値だけを見るのではなく、良かったこと悪かったこと、弱点やミスしやすいポイントなどを各自で分析して残り期間の学習に活かしてもらえればと思います。
いよいよ出願も始まり、入試も近くなってきました。最後まで全力で走り切れることを祈っています!
コメント