明日から千葉入試スタート!ということで、千葉上位校について今年度の入試状況をアップしていこうと思います。まずは出願者データを出しますが、このページ内で入試結果データも更新していくので、後日再アクセスいただければと思います。
2023年 市川第1回入試 出願者数
出願は1月16日で締め切っていて、出願者数の確定値が出ています。ここでは、数年前からの推移を含めてグラフにして出します。

昨年比1.09倍ということで競争激化か?という見方もあると思いますが、過去データから見ていくとそこまで突出した数ではないのがわかります。むしろ、2021・2022年がコロナ影響でやや敬遠されていたのが、今年は戻ってきたという見方が正しいのではと思います。受験率は平均で97%程度なので、それで計算すると2700名弱の受験者数にはなりそうです。
なおこの学校は男女で定員が異なるため男女別に見る必要があります(男子定員180名、女子100名)。男子の1767人というのは近年で最大だった2018年に迫る数字となっていますが、一方で女子はコロナ禍からの戻りが少なくほぼ昨年並みとなっていて、男女でやや違いが出ている点は注意でしょう。
次に出願者数で難易度に変化があるかどうかということで、上図の範囲で偏差値の推移を見てみます。

*男子は実線、女子は点線で表しています(サピックスは男女で違いがなかったので同一で表記)
80%よりは50%偏差値の方がより正しく難易度を表す(塾による操作が少ない)と考えているので私は四谷大塚50偏差値を中心に見ます。それによると、2018年は出願者増(受験者増)により偏差値も上昇したと見てとれますが、翌年はその反動なのかやや下がったようです。と見ると出願者数が上がれば難易度も上昇すると考えられますが、女子だけで見ると翌年(2019年)は増加しているのに偏差値は下がっているので、ここにはっきりした相関があるかは微妙な感じです。
また、2021・2022年は出願者数は減少していながら偏差値は下がっていません。これはコロナ影響で志望度が高くない人が避けたということが考えられそうですが、避けた層の学力が高いのか低いのかは一概には言えないので、ここも相関はよくわからないです。
ということで、出願者増がそのまま難易度上昇になるかどうかはわからないというのが結論になりそうです。そうなるとここまで見てきたデータは何も語っていないことになりますが、まあ受験生本人が力を出せるよう、各自都合の良いように解釈していただければと思います。
2023年 市川第1回入試 入試結果
入試結果が発表されたので更新します。
合格者数と実質倍率
数字は学校Webサイトで公開されているので、ここではグラフにして出します。男女別での募集となっているので結果も男女別にします。
男子は実質倍率が大きく上昇

男子の実質倍率ですが、昨年の2.08倍から2.34倍と大きく上がっていて、ここ数年では一番の倍率になったようです。受験者数が最大に近い数だった割に合格者数は昨年並みに留まったことで、実質倍率が大きく上がりました。これは難易度上昇と捉えていいのではと思います。
女子の実質倍率も高い

男子ほどではありませんが、女子は最高だった2020年と同じ実質倍率になっています。受験者数は昨年より微増程度でしたが、合格者数がここ数年で一番少なくなっているのが響いていると思われます。
受験者数が伸びた割に合格者数が絞られた
結局男子も女子も同じ傾向ですが、合格者数が絞られ実質倍率が上昇した、というのが今年の結果と見ることができるでしょう。前受けでもある千葉校なので合格者を多く出すというところではありますが、上位志望の人が増え、合格者を絞ったということでしょう。3年前の渋幕ショック(合格者数を大きく絞り難易度が上昇)ほどではないかもしれませんが、似たようなイメージを持った動きと感じます。
平均点・合格最低点
平均点と合格最低点は次の通りです。倍率との関係を見たいので過去6年分出します。
2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | |
---|---|---|---|---|---|---|
配点 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 | 400 |
男子 受験者平均点(得点率) | 242.2(61%) | 235.3(59%) | 217.8(54%) | 219.3(55%) | 240.9(60%) | 213.6(53%) |
男子 合格最低点(得点率) | 255(64%) | 241(60%) | 223(56%) | 226(57%) | 246(62%) | 220(55%) |
男子 得点差(得点率差) | 12.8(3.2%) | 5.7(1.4%) | 5.2(1.3%) | 6.7(1.7%) | 5.1(1.3%) | 6.4(1.6%) |
女子 受験者平均点(得点率) | 235.1(59%) | 228.6(57%) | 213.3(53%) | 208.6(52%) | 231.8(58%) | 206.9(52%) |
女子 合格最低点(得点率) | 255(64%) | 243(61%) | 230(58%) | 226(57%) | 248(62%) | 221(55%) |
女子 得点差(得点率差) | 19.9(5.0%) | 14.4(3.6%) | 16.7(4.2%) | 17.4(4.3%) | 16.2(4.1%) | 14.1(3.5%) |
点数だけ見ていても何となくしかわからないので、合格最低点と受験者平均点との差を出しました(赤字部分)。それを見ると、男子では過去5〜6点台で割合にして1%台に収まっていたのが、今年はほぼ倍となる12.8点・3.2%と大きく上昇、女子もここ数年では最高となる19.9点で5%となっています。これはつまり、合格最低点の水準が切り上がっているということを示していて、明らかに難化した、ということが言えるかと思います。
倍率との関連で考えてみると、特に女子は同程度の倍率は過去にもありましたが、点数の差を見る限り、その時よりも今年の方が実質的な難易度は上昇していると見ることができるのではと思います。これは男子も同様です。
科目別平均点
科目別平均点は次の通りです。
2023 | 2022 | |||
---|---|---|---|---|
男子 | 女子 | 男子 | 女子 | |
国語(100点) | 56.5 | 60.7 | 60.2 | 63.4 |
算数(100点) | 51.4 | 46.6 | 56.8 | 51.6 |
理科(100点) | 80.8 | 78.2 | 71.2 | 69.6 |
社会(100点) | 53.4 | 49.5 | 47.1 | 44.0 |
合計(400点) | 242.2 | 235.1 | 235.3 | 228.6 |
ここでは理科の高得点が目立ちます。昨年の70点も結構高かったのですが、今年はさらに上がり男子は80点を超えてしまいました。ここまで上がってしまうと差が付かずにケアレスミス勝負となってしまうので、選抜試験としては機能しなくなってしまいます。理科が得点源の子には厳しい試験になったのではないかと思います。
コベツバ入試速報
算数に関してはコベツバで解説しているので、リンクと要約を記載しておきます。

- レベルAが60%前後、レベルBが30%超、レベルCが1問
- レベルAの配分が多いので基本問題を合わせられるかが勝負だったのでは、その上でレベルBが取れればなお良い大事(レベルAは[3]-(2)までと[4]-(2)、[5]-(1))
- 今回の特徴は[4]-(1)に出た作図、渋幕対策で作図をやっていた人には良かったかも
- [5]は灘中2021年の大問2とほぼ同じ、(2)までは根性で解けたかも、(3)は合否に影響はない
さいごに
受験生はおつかれさまでした。合格された方はおめでとうございます。
断定はできませんが、数字を見る限りは難化し厳しい入試になったと見ることができると思います。合格された方は自信を持っていいでしょうし、残念の方もそこまで落ち込む必要はないと思いますので、次があれば次に向けて立て直していきましょう。いずれにせよ、この経験をまた次に活かしていってもらえればと思います。
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