【通信講座比較】ピグマキッズの特長・内容・費用を徹底調査

塾・サービスの比較

中学受験をする・しないに関わらず、小学校低学年の習い事のひとつとして通信教育を検討している方も多いと思います。

兄の中学受験を終えた我が家も、弟が小学校に上がるタイミングで通信講座を検討したので、その結果を共有しようと思います。

こんな方におすすめ
  • 小学校低学年の通信講座を具体的に検討している方
  • 費用を抑えながら中学受験の準備をしておきたい方
  • 今どきの通信教育について何となく興味がある方

中学受験を視野に入れた場合、高学年のコースへの繋がりなども考えると、中学受験も手がけている以下の3つがスタンダードになるかと思います。

  • Z会(3年生から中学受験コースあり)
  • ピグマキッズ(中学受験塾サピックスの低学年向け通信講座)
  • リトルくらぶ(中学受験塾四谷大塚の低学年向け通信講座)

あと通信教育といえば進研ゼミということで、これに進研ゼミを加えた4講座について比較検討していきます。

低学年向け通信講座比較シリーズ
[AD]

ピグマキッズくらぶとは

ピグマキッズくらぶは、中学受験の王者サピックスが手がける低学年向け通信教育です。

キャッチコピーは、

考える問題だからおもしろい
ピグマで伸ばす思考力・記述力

ということで、特に思考力と記述力を強化することを主眼に作られている教材ということです。

最終的にはサピックスへ入塾することを前提として設計されていて、1〜4年生までの教材となります。

中学受験で難関校受験に必要とされるこれらの力を、低学年から時間をかけて伸ばすことを狙っているものと考えられます。

ピグマキッズの「ピグマ」とは教育心理学におけるピグマリオン効果から来ているとのこと。これは親が子どもへ期待することにより学習成果を上げることができるという解釈ができます。

親子の絆が強い低学年の時期だからこそ、親の役割が大きく、親の子どもへの愛情や期待、関わりが大きければ大きいほど、子どもの知能の発達が促されると確信しています。
〜中略〜
サピックスは、「学び」の原点をもう一度見直していただきたく、あえて、親が子どもの学習に積極的に関わり、親子で学ぶ通信教育”ピグマキッズくらぶ”を開講しました。

ピグマキッズHP > ピグマについて

この記載にある通り、親子で学ぶための教材というのがピグマキッズのコンセプトとなります。

教材

1〜4年生まで全て国語と算数の2科目で、基本的にはメインテキストとドリルが中心の教材、あとは添削問題と補助教材という至ってシンプルな構成です。

教材の構成

ピグマシリーズ

国語と算数のメインテキスト。2科目が1冊にまとまっていて、算数の反対側の表紙が国語になっています。

このテキストが他とは違うピグマキッズの特徴的な教材だと思うので、後ほど深掘りします。

1・2年生:A4/カラー、48ページ(算数・国語/各24ページ)
3・4年生:A4/カラー、56ページ(算数・国語/各28ページ)

別途保護者用教材として、学習指導書が付属しています。

ワクワクパワードリル

国語と算数のドリルです。主に計算や漢字・語句などを練習するためのもので、これは一般的なドリルと似たような形式のものです。

ピグマシリーズで学習したあと、定着させるのためトレーニングとして位置付けられています。

A4/2色 算数・国語/各18ページ

その他

国語テキスト朗読CD:

国語のテキスト本文を朗読してくれるCDです。学習指導書によれば、まずこのCDを聞いて物語を最後まで味わってから、次に音読をし、その上で問題に取り組むこととされています。

補助教材:

算数の立体図形やパズルなどの理解を助ける補助教材で、その月の算数の内容によって付属する場合とそうでない場合とがあるようです。手を動かして整理したり、立体を動かして試行錯誤をすることで理解を深めます。

通信添削問題

A3版1枚の表裏に国語と算数の問題があり、これを月1回提出し添削されるという、まあ一般的な通信教育と同様のものです。

進学情報誌「さぴあ」:

サピックス通塾生に配布されている中学受験情報誌が毎月送られてきます。

国語

ここからメインテキストであるピグマシリーズの内容について見ていきます。

Webサイトにある国語のサンプルはこのような感じです。

クリックで拡大します

このサンプルでは、地図を読んで道順を把握して、それを説明する文章を書くという構成になっています。

本文から抜き出してくるとか表面的な答えを書くのではなく、内容を理解した上で相手に合わせ正しく答えるという、もう1ランク上の理解力が求められていると感じます。

10月号なので半年間テキストをこなしたあとの1年生向けではあるものの、それにしても1年生向けとしては結構ハードルが高いのではないでしょうか。

1年生の子どもがひとりでできる感じはしないので、親が横についてうまく誘導してあげることが必要と感じます。まさにコンセプトにあるような「親が積極的に関わる」教材と言えるのかなと思います。

逆に言うと、こういうのが難なくできるような成長が早い子であれば、高学年でサピックスに入っても対応していけるだけの力を持っていると考えられるのかなとも思います。

算数

算数も傾向としては国語と似ています。

クリックで拡大します

上のサンプルでは、まずそれぞれの動物がどういうはたらきをするのか(動物と会ったときに木の実がいくつ増える、もしくは減るのか)を把握して、それを問題の方へ適用するという流れになります。

単に数を足したり引いたりするのではなく、内容を理解した上でツールとして足し算引き算を使うイメージになるので、より高度な能力が求められていると思います。

こちらも子供がひとりでやるのはハードルが高そうなので、親の適切な誘導が必要と感じます。

学習量

1ヶ月で送られてくる教材は以下の通りです。

教材(月あたり)1日あたりの学習量想定
メインテキスト
(算数・国語)
各24ページ算数1ページ
国語1ページ
ドリル各18ページ算数1ページ
国語1ページ

想定する時間数は書かれていませんが、メインテキストの算数と国語はそれなりの難易度があるため、これを2科目分やるとすればそこそこ時間は取られると思います。

ドリルも算国どちらかだけだと1ヶ月では終わらないページ数なので、1日に2科目分、メインテキストとドリルを両方やる想定になるかなと思います。他の習い事のスケジュールと合わせ、日によってドリルの量を調整するイメージでしょうか。

これらを全てやるには、少なくとも1日あたりで30分〜1時間はみておいた方が良いのではと感じます。1年生としてはやや多めな感覚です。

費用

入会金:11,000円

月会費:5,280円

費用は1〜4年生すべてで同額という明朗会計でわかりやすいです。年額は63,360円になります。

あとは、ピグマキッズくらぶを受講しているとサピックスへの入塾の際に入会金から10,000円引かれるという特典があります。

さいごに

以下、個人的な見解です。

とてもサピックスらしい、と言うと語弊があるかもしれませんが、合う人にはとても良いであろう教材、別の見方をすれば使う人を選ぶ教材だと思います。

単純な計算や表面的な問いに答えるのではなく、それを使ってもう1ランク上の思考問題を解くようなイメージの教材です。公文のように、計算などシンプルな問題を地道に何度も繰り返して定着を促すタイプとは対極にあるような印象を持ちました。

1年生で足し算引き算からスタートするような子だとちょっと厳しいと感じるので、小学校受験をやった子や、幼児教育でそれなりの準備をしていた子が次のステップとして取り組むようなイメージだとしっくりきます。

また、手助けなしで子どもがひとりで進めるにはちょっと難しいので、親がうまく(解き方を教えるのではなく)誘導してあげることで思考レベルを上げていくような教材だと思います。そういう親力も必要になりそうです。

違う見方として、これが低学年でできるならサピックスでも無理なくやっていけるであろうものが提供されていると捉えれば、これをやってみてサピックス入会への試金石にするという考え方もありなのかもしれません。実際のところどうなのかはサピックスに聞いてみないとわかりませんが。

ただ、別に低学年時にこのレベルができないと難関校は無理などということは全くないと思うので、無理して取り組むものでもないでしょう。できる子は有利かもねくらいで考えればいいと思います。

いずれにしても、コンセプトの通り、親が積極的に関わって伸ばしていこうとする教材なので、親の方もそれなりの覚悟を持ってやるべきものと言えそうです。逆に子どもにあまり時間をかけられない家庭だときつくなりそうです。

以上、ピグマキッズくらぶの内容でした。

参考URL:

ピグマキッズくらぶ|SAPIXの通信教育
ピグマキッズくらぶ 小学1年生から小学4年生のための通信教育
低学年向け通信講座比較シリーズ

コメント