【2024入試】2月入試志願者数の振り返り

2月入試の結果分析 入試データの分析

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2月2日午前入試

男子は局地的な増加が目立つ

2月2日は神奈川のトップ2校の入試日であることと、大学附属校が多いというのが男子の特徴かと思います。全体的には昨年よりマイナスの学校が多く、一部の学校に受験生が集まったような印象を受けます。

まずは神奈川のトップ2校である聖光学院栄光学園から見ますが、ここはどちらも前年比マイナスでした。ただ、どちらも昨年大きなプラスだったことの反動という見方で良いと思います。聖光学院は減少でも5年平均よりも上でした。もう1校、鎌倉学園についても触れておきますが、ここは4年連続の減少となりました。1日午前では大きく増加、1日午後は大きく減少とバラバラな動きなのですが、神奈川全体の動きとしてやや減少傾向の印象が強く、受験生の減少が始まったのではと考えています。

次が2月1日の併願校として位置付けられそうな男子進学校群(+渋渋)を見ます。渋渋は1日が大きく増加したのに対しここはやや減少でした。とは言え昨年大きく増加してからの微減なので高止まりという感じで、最上位層の2日併願校としてのポジションを着々と固めていると感じます。1日は大きく減少した本郷ですが、2日は一転して上昇でした。昨年200人以上増加させた上での上積みということで相当強いと思います。神奈川は遠いという上位層の併願先として、渋渋の次に本郷というのが定着しつつありそうです。

攻玉社も100人以上と大幅増加しました。2021年を底に上昇傾向で、偏差値的にも本郷を追いかけていくかたちになるのか注目したいです。桐朋も増加で、こちらは2022年を底にしたV字回復のかたちです。

増加は一旦ここまでで、この次からは減少の学校が続きます。前年からの増減で、巣鴨は-34、城北は-95、世田谷学園は本科・理数合わせて-114という感じでした。とは言えなんですが、過去数年の単位で見れば大体平均値くらいのところなので、ほぼ横ばいという見方で良いと思います。ちなみに世田谷学園は2022年に本科・理数に分けたので、合算すると913人ということで分割前より大幅に増えていることになります。(本科と理数の数字は別々という記載はなく重複している可能性があるので、とりあえず本科のみを見ておいた方が良さそうです)

あとは暁星がほぼ横ばい、高輪は比較的大きめの増加(要因は1日のところで考察しました)、国学院久我山もまあ横ばいということで続いています。

大学附属校は、総じてやや減少傾向に見えます。決して大きな減少ではありませんが、数年前に大学入試改革の不安から一気に膨れ上がった附属校人気は、徐々に減少しつつあるかなというのが伺えます。個別に見ると、青山学院は2021年に大きく減少したあとじわじわと減少方向、明大中野は昨年大きく減少からの反動増ですが戻るところまではいっていない感じ、立教池袋も2021年からほぼ横ばい、法政第二もじわじわと減少傾向、学習院は昨年大幅減からの反動増でまあ横ばいといった感じです。男子はGMARCH附属校が2日に集中しているので、ここの総数をカウントすると附属校志望者の数がわかるかなと思います。(まあ進学校と併願している人も多いとは思いますが)

全体の合計人数は2023年より200人程度の減少ということで、やはり受験者数は2023年がピークだったという感じですかね。ただ過去5年では2番目の多さなので、減ったとはいえわずかな減少です。ちなみに2月1日午前は12000人強なので、1日と2日ではほとんど受験者の減少はないということになります。

女子はほぼ変わらず

女子は前年比でプラスが3校しかありません。しかもそのうち2校は+1なので、実質的にプラスは大妻1校、あとは純増の横浜雙葉といった動きになりました。

*横浜雙葉②は2024年度に新規導入

前年比で見ても面白くないので(ほぼマイナスなので)、5年平均からのプラスマイナス(赤字・青字)でみていきます。まずプラスなのは吉祥女子・田園調布・品川女子・湘南白百合の4校でした。このうち、明確に増加傾向といえそうなのは吉祥女子湘南白百合で、あとの2校はまあ横ばいかな(来年次第?)という感じですかね。増加の2校は他の入試回でも基本的に増加傾向なので、引き続き人を集めている学校と言えるでしょう。

それ以外を見ていくと、渋渋・洗足学園は比較的高止まりだったところからの減少(これは難化による敬遠か?)、数年単位でほぼ横ばいに見えるのは大妻・富士見・田園調布、2021年に大きく減少してから横ばい圏なのが法政第二・恵泉女学園、このところ減少トレンドに見えるのが豊島岡・青山学院・白百合・共立女子といった分類ですかね。

人数で見る限りは、全体的に大きな難易度変化はなさそうな印象は受けます。

で2月2日に新規参入で注目された横浜雙葉は306人を集めました。実受験者数はこの6割程度ではありますが、特に大きく減らした学校があるわけでもなさそうで(強いて挙げれば洗足学園ですが、ちょっと偏差値に差がある感じがします)、どこか別の学校から取ってきたと言うより純増という感じに見えますね。という意味でも成功と言えるのかなと思います。

女子全体では昨年とほぼ同じで、おそらく受験生の総数が減少と予想される中では、実質的に増加とも言える気がします。ほぼ横浜雙葉の分かなという感じはしますが。

共学は増加

2月2日の共学はそもそも学校数が少なめです。これは新興校の多くが午後入試に設定しているためで、その意味で共学校の主戦場は午後入試と言ってもいいでしょう。ということでやや手薄な午前入試を見ていきます。

*広尾小石川IAGは2024年度に2月5日から2月2日へ日程変更

今回見てきている中で、共学校リストでは唯一のプラス集計になりました。マイナスが3校のみというのも今回ちょっと見慣れない景色です。ただ、個別に見ていくと色んな動きが見えてきます。

偏差値上位のところは数年単位では横ばいのところが多く、渋幕・明大明治・芝浦工大あたりはそれに該当すると思います。

減少トレンドに見えるのは慶應湘南藤沢・昭和秀英・東洋大京北の3校、帝京大学も2021年に減少してからはやや低空飛行に見えます。青稜は2022年をピークに今年はさらに大きく減少しました。他の回も大きく減らしているので、要因があるなら知りたいところです。

神奈川大附属・安田学園・森村学園は明らかな増加傾向にあります。特に安田学園は数年前と比べると爆増と言っていい増え方で、他の回も軒並み増加していました。

広尾小石川IAGは2月5日入試からの日程変更なので、ここで特に触れることはありません。

全体の合計は前年比プラス128名ですが、広尾小石川の増加分があるのでそれを考慮すると、ほぼ昨年と同程度と考えられます。

1日に比べ全体の減少幅は小さい

2月2日午前入試の合計数です。

全体の人数は昨年から減少ですが、1日午前がマイナス699だったのに比べると減少幅はわずかです。過去からの推移で見ても2023年に次ぐ高さで、2日に関しては決して緩和とは言えない入試だったかなと思います。

一応偏差値60以上の集計もしましたが、特に特徴的な動きはなさそうですかね。

2月2日午後入試

2日午後入試は男子・女子が少ないので全て一覧化します。

全体としてはマイナス561ということでそこそこの減少ですが、過去5年では2番目に大きい数字になっています。1万人以上の出願数ということで、1日だけでなく2日も午後入試は一般的になってきているのがわかります。

*中央大附属横浜は市進データだと586となっていましたが、学校サイトの公式の数字があったので修正してあります

さすがに数が多いので、気になったところだけピックアップしてコメントしようと思います。

男子は4校のみですが、ここは高輪・桐蔭・佼成学園の3校が非常に大きく増加しています。3校ともほぼ全ての回で増加していて、今年注目の学校ということかと思います。

女子は桐蔭・普蓮土・大妻中野の増加が大きい感じです(それぞれどんな材料があったのかは知りませんが)。あとはまあデコボコはあるものの、数年単位では横ばい圏かなあと思います。東京女学館がゆるやかに減少を続けている感じはありますが。

共学は、1日午後と同様に東京農大第一が爆増しています。この偏差値でこの増え方はなかなかだと思います。他の学校も他の入試回と似たような動きで、開智日本橋・安田学園の増加が大きいとか、芝国際の極端な減少と青稜の減少が目立つ感じかと思います。

ちなみに中大附属は市進データだと586となり大きなマイナスと見えましたが、受験者数が766人とあったのでおかしいと思い学校Webサイトを見たところ、正しい数字は902でした。市進のサイトもたまにこうした間違いはあるので、おかしいなと思ったり個別に確認したい場合は学校Webサイトで再確認することをおすすめします。

2月3日に続きます。

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