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【1月13日】合格発表をうけて更新・追記しました。
栄東 東大特待Ⅰ試験 出願者数
東大特待Ⅰ試験の出願者数について、数年前からの推移をグラフにします。
4教科型は、前年より100人ほど減少し上昇一服という感じですかね。12日の入試という点で見ると、開智(特待B・旧先端A)と大宮開成(特待生選抜)とも日程が被っていて、この2校は人数を増やしているようなので多少の影響はあったかもしれません。この辺りはこちら↓でデータを出しているので、合わせてご覧ください。
算数1教科型入試は微増という感じですが、絶対数が少ないので傾向というほどの感じはありません。そもそも合格者は30人くらいしか出ないし、サピックス偏差値も61ということでかなり狭き門でもあり、算数猛者の頂上決戦みたいなイメージなのかなと思います。
栄東 東大特待Ⅰ試験 結果情報
出願者数・受験者数・合格者数について、過去からの推移を確認します。2022年以降は3年特待合格の内数についても表示しています。
*2022年の特待3年合格者数には特待6年合格者も含みます
2024年は前年に比べて受験者は100名弱の減少、ただその割に合格者は6人しか減っていないということで、実質倍率は1.92倍へと下がりました。似たような受験者数だった2020年や2022年と比べても合格者は多く、ここ5年ではもっとも低い倍率だったことになります。A日程の人数増に比べるとだいぶ落ち着いた入試になった印象です。
合格者が相対的に増えているということは、東京など遠方からの受験者が多かった(つまり手続き率は上がらないと読んでいる)と分析できるのかなと思います。この入試は首都圏入試の上位層による戦いなので、ここから無理繰り上位層の動向分析するとすれば、昨年と同程度の合格者数だったことを踏まえると、昨年並みの競争は維持されるだろうということになりますかね。
次に算数1教科型入試です。
*2022年の特待3年合格者数には特待6年合格者も含みます
母集団が小さいのでなんとも微妙ではありますが、こちらの入試は減少傾向ではあります。
栄東で合格を取りたいならA日程でも良いし、特待入試でも4教科の方が人数も多く安定して結果を出しやすいはずです。
そんな中でも敢えてこの入試を選んでくるのは、算数1本槍で4教科ではやや不足する感じの子か、算数の頂上決戦に挑んでくる子かのいずれかだと考えられます。で、勝手な想像ですが、合格を勝ち取っていくのはこの後者のタイプなんだろうなと思っています。
これは男女比を見ると顕著で、今年で言えば女子の受験者はわずか15名、さらに合格者はなんとゼロでした。ということで、男子に多いであろう算数小僧(リスペクトを込めて表現してます)の頂点を争う入試と見ればいいのかなと思います。
平均点・合格基準点
4教科型の平均点と合格基準点は以下の通りでした。
4教科型 | 2024年 | 2023年 | 前年比較 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均点 | 得点割合 | 平均点 | 得点割合 | ||
国語(150点) | 87.1点 | 58% | 89.1点 | 59% | -2.0点 |
算数(150点) | 88.0点 | 59% | 79.8点 | 53% | +8.2点 |
社会(75点) | 47.1点 | 63% | 47.6点 | 63% | -0.5点 |
理科(75点) | 51.1点 | 68% | 43.9点 | 59% | +7.2点 |
4科合計(450点) | 273.2点 | 61% | 260.4点 | 58% | +12.8点 |
合格基準点:3年間特待合格 | 329点 | 73% | 324点 | 72% | +5.0点 |
合格基準点:1年間特待合格 | 274点 | 61% | 265点 | 59% | +9.0点 |
前年と比較すると、算数と理科の得点が高く、4科平均点も12.8点の上昇となっています。ちなみ合格基準点の方はそこまで上がっておらず、もしかすると基準が下がったのかもしれません(母集団の違いもあるので実際は何とも言えませんが)。
とりあえず受験者平均点プラス1点で合格点へ到達なので(2023年はプラス5点ですが)、まずは受験者平均点を取れるというのが、来年以降の受験生が意識すべきラインでしょう。
続いて算数1科目型です。
算数1教科型 | 2024年 | 2023年 | 前年比較 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均点 | 得点割合 | 平均点 | 得点割合 | ||
算数①(150点) | 77.1点 | 51% | 79.8点 | 53% | -2.7点 |
算数②(150点) | 85.9点 | 57% | 78.7点 | 52% | +7.2点 |
合計(300点) | 163.0点 | 54% | 158.5点 | 53% | +4.5点 |
合格基準点:3年間特待合格 | 265点 | 88% | 257点 | 86% | +8.0点 |
合格基準点:1年間特待合格 | 207点 | 69% | 210点 | 70% | -3.0点 |
こちらは平均点が4.5点の上昇でした。それに対し、3年間特待合格の基準点は8点の上昇、1年間特待合格は逆に3点のマイナスになっています。これだとさすがに、1年間特待合格の基準は下がったと言えるのではないでしょうか。
ただ3年間特待合格は、基準点が上がった割に合格者は4名→9名へと大幅に増えているので、最上位の子はむしろ多かったということですかね。まあいずれにせよ、異次元の世界の話と個人的には思っています。
総括
2024年の栄東入試は(前半戦だけですが)以上の通りでした。
A日程は昨年・一昨年からの増加の流れを引き継ぐかたちで、以前よりもさらに大規模な入試になっています。開智所沢の開校に伴う開智の受験者増というビッグイベントがあった2024年の埼玉入試ですが、開智に取られるのではなく逆に埼玉に受験生を集める結果になったのは、非常に面白い動きだと個人的には感じました。
首都圏の中上位層の緒戦を一手に引き受ける入試として、栄東はその地位を盤石にしてきている感があります。
埼玉入試はまだ後半日程がありますし、千葉・東京・神奈川はいよいよこれから本番ということで、何かしらお役立ていただけるデータになっていればと思っています。また、次年度以降の受験生の参考情報としてもご活用ください。
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