中学受験振り返り 〜4年生(+低学年)〜

勉強方法

我が家の受験振り返り記事です。記事全体の目次は以下にあります。

ここから3回に分けて我が家の受験の経緯を書こうと思います。受験の参考になるような情報というよりは、なぜこういう選択をしてきたのかという背景を理解してもらうための内容で、書いていたらえらく長文になってしまいました。もしご興味があればどうぞ、という感じです。

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4年生前半(3年生2月~4年生7月)

中学受験を検討し開始した経緯は最初の頃のブログで書きました。

そこでも触れた通り公立中高一貫校に興味を持ち、いわゆる詰め込みではく思考力と表現力を問うという適性検査というものに惹かれ、最終的に受験する・しないに関わらずそういう勉強をすること自体に価値があるだろうと考え、それに強いと言われるenaに入塾したというのがそもそもの始まりでした。中学受験に関するたくさんの知識を得た今から見れば、適性検査も結局塾が教える型を取得しその型通りに書いてくるようなものになっており、実情を知らずに文科省(?)が掲げた理想論に踊らされた一人でしかないと思っていますが、まあそんなこんなで中学受験の世界に足を踏み入れたわけです。(念のためですが、公立中高一貫校や適性検査を否定するつもりはなく、無理がなければ我が家も受けたかったくらいですが、当初掲げた理念と実態とはギャップがあるよねという意味で捉えていただければと)

入塾したenaでの勉強は、本などで見聞きしていた中学受験イメージとは大きく異なり、「あれ?こんなもの?」というくらいに緩いものでした。4年生前半では塾も19時半には終わるし宿題もほとんどなく、週2の習い事がひとつ増えたぐらいの感覚でした。

その後夏休み明けに四谷大塚に転塾するのですが、それはenaについてどうこう言うものではなく、受験日程を踏まえた戦略を考えた場合に私立を軸にした方が良いという判断からでした。都立の中高一貫校では2月3日が一斉入試日となっているため都立同士では併願ができず、受検校は1校に絞られます。それを見越して適性検査型の入試を行う私立もありますが中堅校が多く、公立を軸にして私立併願にすると選択肢が狭まる一方で、私立難関校は思考力や論述力を問われる方向に変化しているために私立受験を軸にしての公立併願の方が可能性の幅が広いということを知りました。もちろん勉強内容はハードになりますが、それなら一旦は私立難関校を目指して勉強を進めてみようかという結論になりました。

現在はそういう状況も見越してenaでも私立受験に力を入れてきているようですが、我が家ではその時点で既に実績がありそうな四谷大塚へ移ることにしました。

脱線しますが、公立中高一貫校の選抜は、設立の趣旨に従えば私立のような学力試験ではなく適性を測るものであり、いわゆる中学受験勉強のような対策はせずに受けてみて、適性があれば入学する、適性がなければ地元の公立に進めばよいという程度のものであったはずです。しかし現実にはそれなりのお金をかけて準備をするものになってきている感じがあるのですが、その辺どう考えているんでしょうかね。

4年生後半(9月〜1月)

そんなわけで9月に四谷大塚の直営校へ入塾しました。通常は入塾テストが必要ですが、息子は6月に全国統一小学生テスト(全統小)を受けていたのでそれが代わりとなりました。ただクラス分けのために8月末の組分けテストは受けることになり、夏休みに予習シリーズ上巻を買って自習はしたものの、上期全てが範囲となるテストで良い点が取れるはずもなくBコースからのスタートとなりました。

なおこの時点で全統小の偏差値は65くらい取れていて、面談ではこれなら一番上のクラスだと言われ喜んで体験授業も受け入塾しましたが、結局組分けテストの結果で下のクラスになりました。全統小は中学受験しない人も含んだ母集団なので、四谷大塚偏差値はここから10ポイント近くマイナスするものだという事実を知ったのはこれよりあとのことになります。

こうして、四谷大塚に通うことになりました。最終的には自宅学習になった我が家の中学受験ですが、ここまでの段階ではそんな突飛なことは考えてもおらず、セオリー通りに塾通いするつもりでいました。ちなみに四谷大塚を選んだのは、四大塾の中で徒歩圏内で通えるのがここしかなかったからというだけの理由です。

サピックスや日能研が復習型と言われ、四谷大塚(早稲アカ含む)は予習型と言われます。テキストも予習シリーズと名前が付いており、予習ナビという動画授業まで付属しています。面談では最上位クラス以外は予習はいらないなどと意外なことを言われましたが、塾自身が予習をうたっている以上、カリキュラムを活かすためには予習が絶対だろうということでしっかり予習してから授業に臨むことにしました。

とはいえ全科目はさすがにやりきれないので、少なくとも算数に関しては日曜に予習ナビ動画を見て、基本例題と基本問題を解いてから授業に向かうといった感じです。一旦これで一週目を回してみたところ、驚きの事実がわかりました。家で基本例題と基本問題をやってから授業に行くのですが、授業でやるのも同じく基本例題と基本問題の一部、宿題も基本問題だけなのです。家でやったものを塾でもう一回なぞるだけ、しかも簡単な問題を繰り返すというだけという事実。下のクラスはまず基本問題を固めましょうという理由のようなのですが、ということはこの単元の練習問題(標準レベル)はやる機会がないままに次の単元に進んでしまうわけで、これは家でカバーしないと大変なことになるということに気付きました。ひとつ上のCコースでは練習問題レベルは解けなければいけない、でも下のクラスでは授業では扱ってくれないということであれば、このまま塾のシステムに乗っかっていたら絶対に浮上はできない仕組みじゃないかと悟りました。入塾するときのクラスが大事だという話はこういうことなんだと腑に落ちたと同時に、このクラス昇降システムに振り回されると、在籍したクラスによって単元の穴だらけになりヤバいことになるなというのも感じました。

ということでパパ塾の登場です。

パパ塾と言っても自分に中学受験の経験があるわけではないし、下剋上受験の桜井さんのように徹夜して準備するなんてことはできないので私が直接教えるわけではありません。土日に一緒に予習ナビの動画を見て、予習シリーズの解説を読んで一緒に勉強するスタイルです。そして、基本問題だけでなく練習問題、応用問題までやります。少なくとも練習問題レベルまではやっておかないとその単元が穴になってしまうので、その分は家庭でカバーするしかありません。そしてこれによって、対策前の第1週目に52だった算数の週テスト偏差値(Bコース)は、翌週からは60を超えるようになりました。

これで一旦学習サイクルの目処はついたのですが、こうなってくるとむしろ塾の時間が邪魔に感じはじめます。週2日も取られると家庭学習の時間のやりくりが大変で、何より家庭学習より簡単な内容の授業を受ける意味がなくなりました。

この時点で塾に入ったことを後悔し始めたのですが、どうしたものかと悩む中で見つけたのが週テストコースでした。どうやら授業は受けずに週テストだけ受けることができるらしい、ただしこのコースだと予習ナビは付いてこないらしい、でも進学くらぶ(四谷大塚の通信コース)に予習ナビだけ見れるコースがあるらしい、という流れで、週テストコース+進学くらぶ予習ナビのみコースというのが今の我が家にピッタリはまるということがわかりました。そして、入塾わずか1ヶ月で別校舎へ移籍し(週テストコースは限られた校舎でのみ対応している)週テストだけを受けるという体制になりました。

長くなりましたが、ここまでが自宅学習+週テストへ至るまでの経緯となります。結局、塾のシステムにうまく乗っかるだけの準備ができていなかった結果、こうなったと言えるかもしれません。入塾時から安定して上位クラスにいる実力があるならば、塾のシステムだけで最後まで走り切ることができるのだと思います。

あとは、たまたま選んだ四谷大塚に動画教材があったというのも非常に大きかったと思います。塾のクラス昇降に振り回されずに安定して学習できたのは四谷大塚システムのおかげです。他塾を選択していた場合にどうなっていたのか、今となっては想像もつきません。その意味では四谷大塚に感謝!です。ただ去年から進学くらぶの予習ナビコースがなくなってしまうなど、ユーザー目線から離れた改悪も目につくのでそういうのはどうにかしてほしいですが。

なお、このあと受けた組分けテストでCコースへ昇格し、その後Cコースから落ちたことはありません。4年時の組分け偏差値は、ノーガードでぶつかった初回(48)を除けば平均59でした。

組分けテストは比較的安定しましたが、週テストはCコース内で最低37〜最高65と大波に揺られていて、後から考えれば週テストはそんなものだとわかるのですが、いちいち偏差値が出ることもあり渦中にいる親は非常に大変でした。週テストの成績は子供のモチベーションや不得意分野の分析に使う程度で、親は振り回されないこと方がよいと感じています。

5年生へつづく

※最後に自分の経験からお伝えしたかったポイントだけ

  • 上位クラスで安定するだけの学力がないとクラス昇降に振り回される危険性あり
  • 週テストは上下動するものなので成績は気にしないくらいの構え方がベターでは

低学年時

話は前後しますが、3年生までにやっていたことをさらっと書きます。

自分が地方の公立進学校から大学へ入った典型的な田舎育ちで、3年生の終わりまで中学受験には否定的だったため、中学受験を意識した学習はまったく行なっていませんでした。ただ、何もしなかったわけではなく、習いごととして勉強系のものは1つやっていました。

とにかく勉強嫌いだけは避けたい、できれば好きでいてほしいというのはあって、たまたまテレビで特集していたはなまる学習会を見て、これだ!と思い年長から通わせました。この塾については有名だと思いますが、実際楽しく授業をやっていて、今でも勉強に前向きなのはここのおかげかなという気持ちがあります。

ただし集団塾の限界か、前向きにどんどん吸収していった息子にとっては途中から簡単すぎると感じるようになりました。そこで2年生からは、似たような内容ながら個人に合わせて進んでいけるパズル系の塾に変えました。息子はパズル的なものは幼少期から好きだったので、ここでかなりの早さで級を取得していきました。結局4年生の終わりまで続けましたが、ここで数や図形感覚、思考力などを育てられたことが結果的に受験算数に繋がった感じがするので、狙ったわけではないですがラッキーだったと思います。

幼少期の学習系の習いごとは公文やパズル系、プログラミング、英語など様々あり、それぞれに良さも欠点もあると思うのでどれが良いとは一概に言えないと思いますが、何かひとつでもやっておくと後に生きるとは思います。ただ、誰かプロの方も言ってたと思いますが、楽しくやれるとか、嫌いにならないというのは最重要だと思います。

中学受験塾も、低学年では勉強というより読解力や思考力をつける内容で楽しく学ぶことを重視したものなので、結果論的には我が家も似たようなことをやったんだなと思います。そういう意味では低学年から受験塾に入れるのもアリだとは思いますが、ひとつだけ、長く在籍すればするほどもったいなくなって辞めづらくなるというのはデメリットとして考えておくべきかなと思います。高学年になって、やっぱり塾のスタイルに合わなかったという可能性も否定はできないので。

  • 算数系の習いごとは個人的にオススメ
  • ただし勉強嫌いにしないことは最重要

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