各校の結果情報
前ページの続きですが、市川・東邦大東邦・渋幕・昭和秀英の4校について、過去8年分の入試結果データをグラフで見ていきます。
市川 第1回(1月20日)
市川は男女別定員となっているので、グラフも男女別で集計しています。
【1/22】2024年の結果公開に合わせ更新しました。
男子の2024年入試は、受験者数は微減となった一方で合格者数は微増したため、実質倍率は2.25倍へと低下しました。ただ、上のグラフの年度内で最高の倍率を記録していた2023年より下がっただけであって、全体からすれば2番目に高い倍率だったということになります。
2021・22年のコロナ禍での受験者減を経て、昨年から元に戻ったと見てよいのではと思います。2020年以前よりも合格者数を絞り込んで実質倍率も上がっているため、難易度はむしろ上がっていると見た方が良いかもしれません。
女子の2024年入試は、受験者数は微減だったものの、合格者数はさらに絞り込まれたため実質倍率は2.99倍へと上昇しました。これは上のグラフの年度内では最高倍率になります。
2020年以前は受験者数が900名を超えていたところから見ると回復していない(=緩和)にも見えますが、合格者数は減少の方向です。特に2023・24年と明らかに絞られてきているので、実質倍率は上がり難易度も上昇と考えられます。
合格者数を絞ってきているのは男女共に同じ傾向なので、人気が上がって合格者の入学率が高くなっているかと予想できます。難易度も男女共に上昇方向というところで見ていいんじゃないでしょうか。
男女別の平均点も見てみます。
平均点は昨年より低く、難しい問題セットだったようです。受験者平均点と合格平均点との差は昨年よりだいぶ縮小したので、合格難易度はいくぶん緩和したように見えます。ただ男女で比べた場合の差は開いているので、もしかすると女子のハードルはやや上がったかもしれません。
東邦大東邦 前期入試(1月21日)
【1/23】2024年の結果公開に合わせ更新しました。
2024年は受験者数・合格者数ともほぼ横ばい、実質倍率も2.20倍ということでほぼ前年と同じ結果になりました。細かく見れば、受験者数は微減に対し合格者数は微増しているので、倍率はやや下がっています。
平均点も見てみます。
倍率を見るとここ3年でほぼ横ばいですが、受験者平均点と合格最低点の差は徐々に開いているようです。そこからすれば、難易度は微妙に上がっているのかもしれません。
渋谷幕張 一次入試(1月22日)
【1/24】2024年の結果公開に合わせ更新しました。
2024年は倍率が上昇し難化したと考えられます。詳しい考察は次の記事で。
昭和秀英 午後特別入試(1月20日午後)
【1/22】2024年の結果公開に合わせ更新しました。
2018年に新規導入した翌年にピークをつけ、その後は徐々に受験者数・実質倍率ともに緩和傾向を続けてきましたが、その動きも2023年で底打ちしたように見えます。
2024年入試は、受験者は60名増加した一方で合格者数は6名増ということで、実質倍率は上昇となりました。これでも以前の5倍を超える倍率に比べると低いですが、さすがに5倍超は高すぎる感じなので、より現実的に受験できる入試になってきたのかなと見ていいのではないでしょうか。
幕張メッセで実施される市川第1回入試のあと、同じ幕張であるこの学校にて午後受験という流れで利用される入試だと思いますが、市川第1回の受験者数と相関があるかというとそういうわけでもなさそうです。ただし、倍率の低下と相反するかのように偏差値は上昇していて、市川第1回に近づいてきているのが確認できるので、市川にも合格できる程度の実力が求められるようになってきたと考えた方が良さそうです。
昭和秀英 第1回(1月22日)
【1/24】2024年の結果公開に合わせ更新しました。
2024年入試は受験者数は微増した一方で合格者は微減ということで、実質倍率は3.16倍へ上昇しています。コロナ前ほどの倍率はありませんが、3倍超を回復しています。
平均点を見てみます。
この学校は受験者平均点ではなく合格者平均点だけが公開されているので、通常とちょっと見方が変わります。合格者平均点との差を見る場合、差が縮まっていると合格点を取るハードルが上がっているとみます。
2024年は平均点は高く、点の取りやすかった問題のようです。ただ、合格者平均点と合格最低点の差を見ると差は縮まっているように見えるので、合格ハードルは上がっていると考えられます。
総括
各校の動向をもう一度見てみます。
市川:合格者を絞っていて倍率は上昇傾向、難易度はやや緩和か
東邦大東邦:倍率はほぼ横ばい、難易度はやや上昇か
渋谷幕張:合格者を絞り倍率上昇、難化
昭和秀英:倍率やや上昇、やや難化か
ということで、千葉上位とされる4校は、総じて倍率は横ばいか上昇傾向、難易度もやや上昇方向と言えるのではと思います。前受け受験もありながら、現実的な進学先としてのポジションを確立してきたということでしょう。
全体の入試動向として特徴的な動きはなさそうで、全体感として昨年と大きくは変わらなそうですが、渋幕や市川の合格者が絞られたことで難関校受験の動きに多少影響はあるかもしれません。
ここから2月受験の方も多いと思います。残りの日数で準備万端にし、良い受験で終われることを願っています。
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