芝国際中高がハンパない

芝国際中学校・高等学校 1. 受験校選びの参考
出典:芝国際中学校・高等学校HP

2023年度入試で注目されている、新設校の芝国際中高(現・東京女子学園)についてです。

たまたま目にした首都圏模試YouTubeの学校説明会動画を見て、これは色んな意味でスゴいと感じたのでちょっと書いてみます。

ちなみに私個人としては、持ち上げたいわけでもディスりたいわけでもなく中立に見ているつもりです。(新しもの好きではありますが)

立ち上げメンバーの肩書きがスゴい

目立つところを列挙するとこんな感じ。

  • 東京都市大付属校長→村田学園(現・広尾学園小石川)校長
  • 英理女子学院校長→宝仙学園理数インター広報部長→かえつ有明広報部長
  • 鷗友学園校長
  • 京大非常勤講師・私立中学の最高教育責任者など
  • Google→順天堂大学大学院客員教授・東大アドバイザリーボード

他校で学校改革したり新しい学校の立ち上げをしたりという先生が多く、実際それをアピールもしていますね。改革や立ち上げは別に一人でやるものではないんでそれ自体は話半分と思って見ていますが、ビッグネームであることは確かでしょう。

プロ経営者ならぬプロ校長という感じで、横の移動というか、他校での実績を提げて別の学校の経営に携わるという例が増えている感じですかね。そのあたり、学校経営も(先生も?)少しずつ欧米企業型に変わりつつあるのかなと感じます。

教育プログラムがスゴそう

立ち上げメンバーが集まってプログラムができたのか、逆にプログラムから必要な人を集めてきたのかはわかりませんが、たぶんこういう人だからこそできることなんだろうというものが随所に垣間見えます。

そういう観点で見て特徴的だと思ったものを少し挙げてみます。グローバルや理数教育など、最近の流れはキッチリおさえている感じはします。

グローバル教育

英語に力を入れているのは名前からも当たり前ですが、帰国生入試をやって国際クラスを作るとか、インターナショナルスクールを意識した教育をするというのもこの手の学校ではもう当たり前の流れですね。

で、ここはさらに一歩進めて、同じ校舎内にインターナショナルスクールを誘致し、その生徒と一緒に部活や行事を行い交流することで国際性を育てるということらしいです。

あとは、オーストラリアのタスマニア州に提携校を作りそこでの3週間の語学研修や3ヶ月の短期留学プログラム、海外大学への推薦などが紹介されています。

短期間でこれだけの内容を作るのは人脈や伝手がないと難しいでしょう。

起業家精神を育てる

Googleから起業した方によりプログラムとテキストが提供され、クリティカルシンキングやデザイン思考、マーケティングなどを学んで体験し、起業できるだけの素養を身につけるとのことでした。

さらに、そのこと自体が今の大学入試の総合型選抜や海外大学に繋がっていくことになるというところも、時流を捉えている感じはします。

科学的思考力を伸ばす

人工衛星打ち上げチャレンジ、自由に使える3Dプリンタなどがあり、プログラミングやデータサイエンスを体験として学べるようなものが考えられているようです。

学力向上・受験対策

日々のチェック&フォロー(授業前のチェックと放課後のフォローのシステム化)、放課後予備校(大学受験のための校内予備校を設置)などにより、学校だけで受験勉強を完結させることを計画しています。

そのために進学塾にバックグラウンドのある人がメンバーに入っています。この辺も、現役志向や塾要らずといった今の保護者ニーズを捉えていると感じます。

入試がヤバい

本科コースは募集時からⅠ類・Ⅱ類に分かれていたり、国際生コースがCORE・ADVANCEDに分かれていたり、入試日程が多く定員が少ないなど、都市大付属と広尾学園(広尾小石川含む)のエッセンスを混ぜ合わせたような入試形態になっています。

一般入試だけ挙げてもこんな感じです。

入試区分2月1日
午前
2月1日
午後特待
2月2日
午後特待
2月3日
午後特待
2月5日
午後特待
コースと
募集定員
II類 5名
I類 15名
II類 10名
I類 15名
II類 5名
I類 10名
II類 5名
I類 10名
II類 若干名
I類 10名
出典:芝国際中学校・高等学校 中学校一般生 募集要項

最も定員の多い回でも25人しか枠がありません。

1つの日程で定員5名とかいう入試より多少はましかもしれませんが、それでも倍率は凄いことになりそうです。

さらにこの少ない定員の中で、1〜4科目で受験した上で、最初に算数や算国で合格判定を出して4科判定するなど、都市大付属で聞いたような仕組みが入っています。
(ちなみにこれは複数回判定のチャンスがあって受験生に優しい仕組みに見えますが、合格最低点も高くなってしまうので実はどちらとも言えないと思います)

手法の良し悪しは一旦置いておいても、手がけた学校で成功したやり方をそのまま入れている感じは受けますし、まあ成功しそうだなという予感もします。

感想

世の中の評価を受けるのは卒業生が出てからなので、そこまでに数年は少なくともかかりますが(もっと言えば卒業生が社会に出てからでないと本当の評価はできないでしょうが)、立地も都心だし、初年度から人気が出そうな雰囲気はありますね。

近隣で人気校の芝と校名が似ていてどうなのという話もあるし実際に意識もされそうですが、どうやら今年はさらに芝の人気が上がっているようで、エリア的な相乗効果なのか逆に人気の追い風になりそうな雰囲気です。

ちなみにこういうリブランディングを伴う学校改革は必ず共学化という流れで、男子を持つ親としては選択肢が増えて良いのですが、女子校の選択肢が減っていくことについてはちょっと残念に思うところもあります。

海外志向が強いことと共学を求めることは必ずしもイコールではないと思うので、女子校のまま名前と中身を入れ替え、国際色や先進性を前面に出した女子校ってのもあってよいのではと思うのですがどうなんでしょう。敷地面積が小さい元女子校だと、共学化でちょっと無理をしているように感じるんですけどね。

あと新しいなと思ったのは2月5日午後入試に設定されている「特色面接」ですかね。

資料持ち込み自由で、得意なことや入学後にやりたいことをアピールするもののようです。これは大学入試がAO・総合選抜型(自己推薦型)に変わってきている流れを受けて、もしくは海外大学進学を見据えて、プレゼン力の高い人を入れてみようというものではと考えられます。

高校入試も推薦が一般化していますが、こういうのが中学入試でも広がっていくのか、この入試に対する評価なども要注目かなと思います。

いずれにしても、色んな意味でしばらく目が離せない学校にはなりそうです。

芝国際中学校・高等学校HP:

芝国際中学校
芝国際中学校の公式サイトです。中学校の学びの特徴、コース、生徒がつくる部活・行事の募集情報などをご覧いただけます。

首都圏模試 学校説明会動画:

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