入試日程フローチャートを作ろう

受験校選びのTIPS

出願が始まり、早い人では既に試験も始まっていて、いよいよ本番入試の時期という感じですね。1年前の今ごろどうだったかを思い返したりしますが、何だかはるか昔の話のようです。

さて、本命校・併願校など呼び方は様々だと思いますが、各学校の入試日程を踏まえてスケジュールを組んでいる、もしくは検討していることと思います。塾に通っていると出願校リストのようなものを書いて提出するようですが、単純に日程と学校を並べたリストを書くだけではやや心許ないと思います。うまく流れていけばそれに越したことはないですが、一発勝負の中学入試では本番で何が起こるかわからず、思わぬ方向へと流れていってしまうことも少なくないようです。

そんな事態を避けるため、こっちに受かったらこう進む、ダメならこう進むというのを詳細にシミュレートしておくことが何より大事だと考えています。特にダメだったパターンを事前にイメージして綿密に計画しておくというのが、少しでも冷静さを保つために不可欠じゃないでしょうか。

ここでは、そのためにお勧めしたい、入試日程フローチャートを作ることについて書いていこうと思います。

フローチャートのイメージ

最近の中学受験は午後受験が増え複雑化していて、数日の間に10校近く受けるスケジュールも珍しくありません。その間に合格発表もあって、その結果次第で翌日の受験校が変わるということも十分考えられ、合格したらしたで期日までに入学金を支払わないと辞退になってしまうなど、非常に慌ただしい数日間になります。

フローチャートとはプロセスを図式化したもので、仕事で使っている方も少なくないと思いますが、入試日程をフローチャートで描いておくことで本番期間の動き方を事前に想定しておくことができます。この時期になれば、頭の中には併願校含め入試日程のイメージはある程度できているとは思いますが、実際に図にしてみるとリアリティが全く変わってきます。ぜひ一度描いてみてください。

ひとつの参考として、我が家ではこんな感じで描いてましたというのを共有します。架空のものよりリアリティがあった方がいいと思ったので、我が家のものをベースにして今年の入試日程に合わせて描き直しました。こんな感じです。

入試日程フローチャート
【12/25修正】2月2日を本郷②1本から、本郷②と世田谷②の2本立てに変更しました

ちなみに上の前提としては、海城>芝>本郷>都市大>世田谷の志望順ということになっています。基本的には海城①と②を中心に、東京都市大Ⅰ類と世田谷学園を防御ラインとして組み立てています。(志望順は今回偏差値順に並べただけで、どっちの学校がいいとかの話ではないです、あしからず。また細かい時間などは間違っている可能性もあるので実際の要項を確認してください。)

実際の我が家は、志望順もフローもこれとは異なり最終的にもっとシンプルなフローになったのですが、いくつか考えていた中でパターンが多めのもので作ってみました。

ちなみに書き込むべき情報は、試験日程だけでなく合格発表や出願締切、合格時の入学金納入締切などもタイムラインとして重要です。

作っていくと、割と上手くいったパターンの想定はできていて描き進んでいけますが、分岐をしていったときの想定が甘いと感じると思います。場合の数じゃないですが、思っている以上にパターンが多いことに気付きます。そして、あるパターンで進んでいったときに、今持っている合格はどこで、それを踏まえて次にどこを受けるべきなのかなど、考えることは結構多いです。またその時その時の気持ちになって考えていくと、特に上手くいっていないパターン(上の図では右に分岐していくパターン)では、机上であっても結構焦りを感じると思います。もしそこを考えずに実際その場に立ったとき、気持ち的にも時間的にも追い詰められ間違いなくパニックになるでしょう。冷静に淡々と、などというのは無理だとは思いますが、多少なりとも心に余裕を持たせるという意味で、最悪の想定も含めて予め考えておくというのがこのフローチャートの最大のポイントではないかと思います。

これから冬休みに入り、親御さんも少し時間が取れるタイミングだと思うので、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。今からなら学校研究もまだ間に合うと思います。

どうやって作る?

さてこのフローチャート、どうやって作りましょう。別に手書きでいいじゃんと言われればそれまでなのですが、マニアック的にはやっぱりアプリで作りたいです。

昨年の私は考えている余裕もなく適当にExcelで作りましたが、そもそもの用途が違うので作りやすいとは言えず、特にお勧めもできません。Lucidchartなどの専用ツールがおそらく無難なんだとは思いますが、ちょうど誰でも使えそうなツールを見つけたのでご紹介します。

Google Drawing(Google図形描画)です。

Google Drawings - easily create diagrams and charts.
Choose from a wide variety of shapes to create diagrams and charts.

その名の通り図形を描くツールで、Googleアカウントを持っていれば誰でも無償で使えます。上のリンクから直接アクセスして(自分のアカウントに)直接作成できますし、Google Driveから新規作成もできます。

使い方はいたってシンプルで、ブラウザで動く簡易版パワポみたいなイメージです。大きな違いはキャンバスが固定でなく、広げたり縮めたりできるところですかね。基本的にはハコを作ってコネクタで繋げ、線の終点を矢印にすればそれっぽく作っていけます。

ハコや線の設定はツールバーから
書式設定オプションより細かな設定も可能

注意点というかTIPSとしては、コネクタはハコの真ん中にしか繋げないので、フローを分けたい場合はハコを二つ並べるとか透明なハコを作るなどの工夫が必要だというところですかね。

ハコを並べて分岐する
透明ボックスに繋げる

完成イメージは最初にお見せしたフローです。このくらいまでは数時間で作ることができます。一応こちらからも見ることはできるのでどうぞ。

Google Drawingで閲覧

本当はテンプレートとして公開したかったのですが、残念ながらPDFや画像がダウンロードできるだけのようで、ここから作成することはできなさそうです。まあちょっといじっていれば理解できる程度のアプリなので頑張って作ってみてください。

【追記】
Googleアカウントでログインしていれば、上のフローチャートを閲覧している状態から、
「ファイル」→「コピーを作成」
とすることで、私のものをベースに作成することができそうなのでお試しください。
編集権限のリクエストをいくつか頂きましたが、オリジナルの編集権限をお渡しするわけにはいかないので、コピーをご自身の環境へ作成してご使用いただければと思います。

ちなみに、AppleユーザーであればiOS16から(MacはVentura13.1から)実装され標準で利用できる、フリーボードというアプリもあります。

https://apps.apple.com/jp/app/フリーボード/id6443742539

使った感じはGoogle Drawingとほとんど同じですが、iPhoneやiPadアプリからも編集できるのでAppleユーザーであればこっちでもいいかもしれません。(私はiPhoneでの手編集はしんどくて挫折しましたが)

まとめ

以上、入試日程フローチャートの紹介でした。

基本的には自身の頭の整理と家族での話し合いに使うものなので手書きでも全然問題ないと思います。デバイスで作るのが好きな人は上のツールも使ってみてください。いずれにしても、何となく頭の中で考えているよりも実際は色んなパターンが出てくると思うので、ぜひ一度作成してみてはと思います。1月校についても同様でしょう。

入試日程の組み方によって流れが変わることもありえると思います。実際に受験するのは子供ですが、入試日程を考えるのは親の役割でしょう。色んなパターンを考え試行錯誤しながら、我が子が一番力を発揮できるスケジュールはどういうものなのか検討してみるのはいかがでしょうか。

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