2023年11月に行われる第3回合格力判定サピックスオープンについて、開催・結果情報をお伝えします。合判模試も残り2回、しっかり対策して実力を出せるようにしてほしいですね。
試験後に結果情報を更新します。
2023年 第3回合格力判定サピックスオープン
日程:2023年11月12日(日)
中学校会場
本模試での中学校会場は以下の通りです。

今回は駒場東邦と豊島岡女子が学校別サピックスオープンとの同日開催になっていて、この2校は午前・午後で両方を受験することになります。
結果データ
平均点
科目別平均点は以下の通りです。(公式情報ではありません)
2023年 | 2022年 | 2021年 | |
---|---|---|---|
算数(150点) | 72.8 | 83.0 | 79.9 |
国語(150点) | 97.9 | 91.9 | 98.9 |
理科(100点) | 57.1 | 55.5 | 58.3 |
社会(100点) | 70.1 | 65.7 | 53.9 |
4科(500点) | 297.8 | 296.1 | 290.9 |

平均点は6割前後で安定しています。基本問題をきっちり得点し、難しめの問題でどこまで伸ばせるかという感じだと思います。
2023年度試験の講評
以下は今回の試験についてのプロによる講評です。
受験ドクター講評
受験ドクターの講評を簡単に要約します。
国語
全体講評・平均点予想
- 難度は標準的だった
- 平均点予想は65%くらい、95〜100点
[1][2] 漢字・語句
- 漢字は難しかった、意味を合わせて覚えてほしい漢字が出ていた、節操・机上の空論・若気の至り・教育課程と過程・飼料と資料
- 慣用句は日頃の言語活動で使っているかどうかが強い、出てきたときにその場で身につけるかどうかが重要
[3] 物語文
- サッカーを巡ってオレの考え方が変わっていく、いわゆる成長物語
- 同じ言葉や似た意味の言葉が繰り返されているキーワードはモチーフになっているところ、ここを外さずに読んでいくことを意識
- 問2:「プロのサッカー選手は目標でなく夢に過ぎない」お母さんの中で夢とは絵空事・現実味のないこととして定義付けされているというのを読み取れるかどうか
- 問7:抜き出しは時間食い問題、「こと」につながる文でマイナスの意味だと見当をつけて探す
- 問8:「ここでの意味として」という問題は、本来の意味とはズレる、文脈を優先して考える点に注意
- 問9:条件を踏まえて書くときは記述の型をおさえる、「試合のツキとの様子」(条件)から「叫んだ姿がどんな風に映ったか」(感想)を書く
- 易しい問題・標準的な問題・やや難しい問題があり、記述は抽象度を高める必要があるがキーワードが取れて外さなければそれほど難しくなかったので、ほどよい難度
[4] 論説文
- コロナ禍の話、パンデミックを客観的に見ることができる時代になってきているのでこういう題材は増えていて、色んな学校で出るだろうと予測される
- 問8:「社会の成熟度の指標となる」の指標がモノサシと置き換えられるということを確認、引っ掛かりやすい子はいるのではないか
- 問10:最近増えている形式、感想を言わせてこの中で間違っているものを答えさせる問題、本文で書かれている抽象を本文以外から具体例を持ってくるとどうなるかという非常に高度な問題で難しかった、効率性の良いものを外すという目でみることができるとイになる
理科
全体講評・平均点予想
- 基本的なところは問われつつ、そのテーマの中で難し目の問題も出題されていた
- 問題に触れたことがあるかどうか、解けるようになっているかどうかが細かに試されている問題
- 各大問ごと、半分はおさえてほしい問題、残り半分はそれぞれのテーマでの応用問題
- 平均点予想は50〜55点くらい
[1] 物理(物体の運動)
- 前半はお馴染みの問題
- 後半は衝突に関する問題、過去には豊島岡などで出たことがある、重さが違うと動きが違うところが表から読み取れたかどうか
[2] 化学(金属の燃焼)
- 前半は定番なので確実に解けるように
- 前半の計算に比べて後半の計算に複雑なものがなかったので、ここで時間を稼ぎたいところ
[3] 地学(環境問題)
- 純粋に知識が問われている問題
- 環境問題を題材にする学校も多いと思うので、しっかり復習してほしい
[4] 生物(人体)
- 前半(3)までは確実に取れるように
- 計算の仕方を知っているか、問題文の通り作業していけば解けたが、慣れていないと時間がかかるので、経験を積んで入試に活かせるようにしてほしい
[5] 地学(地層)
- 知識的なところはオーソドックス
- ボーリング調査が傾きがないので解きやすかったのではないか
[6] 生物(生物の習性)
- 前半のプランクトンのところはおさえておいてほしい
- 後半は見慣れないテーマを題材にしているが、実験の結果から考えていけば、時間はかかるが解けるのではないか
社会
全体講評・平均点予想
- 全般的に標準な難易度
- この時期に穴を確認しておきたい知識が並んでいるので、このテストの復習は重要
- 平均点予想は60前後
[1] 公民(憲法)
- (2)第日本帝国憲法の成立の経緯、日本国憲法と比べての特徴、確実に区別して答えられるように
- (8)(9)憲法改正されるのであれば盛り込まれる内容と手続き、近年聞かれやすい内容
[2] 歴史(通史)
- (2)藤原京・平城京・平安京は見分けられるように
- (10)よく出る幕府の職制の図
- (12)江戸の3大改革と田沼意次、(14)自由民権運動と大正デモクラシーも漏れがないか確認
- (17)米騒動や韓国併合、全国水平社は年号までおさえておきたい
[3] 地理
- 旧国名を含んだ半島名や湾の名前を聞かれた問題がいくつかあった、漢字を含めて確認
- (5)正解・不正解だけでなく他の選択肢の勉強もしてほしい
- (15)北緯35度、40度は白地図に自分で線を引けるように
算数
全体講評・平均点予想
- 全体を通して歯応えがあった印象
- [4][5]あたりで突っかかってしまうと先に進みづらい
- [2]からそこそこ重さがあり難しい
- [4][5]の抽象度が上がったところを回避して自分が取りやすいところで取れたか、冷静な判断が非常に重要になってくる
- 平均点予想は70点前後
[2]小問集合
- (5)売買損益:売上のことか利益のことを言っているかが大事(今回は利益)
- (6)食塩水:濃度から逆比が取れない・塩の量も出せないとき、うまく①を使いながら食塩量をマルイチ算的に置いていって解けるのが応用問題の定石なので、比を設定して追いかけることを身につけてほしい
[3] 平面図形
- (2)折り返した図を元に戻すのが鉄則
- (3)等間隔に線があった場合、相似比が1:2:3:4に対し面積比が1:4:9:16になる、平方数の差を取っていくと1:3:5:7と奇数が出てくる、これを利用する
[4] 場合の数
- (2)短い辺を足したら長い辺を超えないというところをチェックする必要がある、具体例を書き出してチェックしてほしい
[5] 規則性:余りの規則なので取れたのではないか
[6] 速さ
- 一見難しそうに見えるがそれほど難度は高くなかった
- 落ち着いて作図をすること、最初の整理に時間をかけたほうが後で加速して安定して解ける、横に長くするより縦に伸ばした方がいい
[7] 立体切断
- (1)は必ず解いてほしい
- 伸ばすより先に平行を確認し、平行切りから行ってほしい
コベツバ講評
コベツバによる算数の講評はこちらです。
算数
- レベルA・Bが約半分で難易度の高いテストになった
- 典型問題が少なく、レベルAと振っているものでも多少考えなければいけないものが多い、それぞれの技術を手に入れられているかどうか
- [2][3]の小問集合から難しい
- 思考力問題の難易度は抑え目
- 本番の入試は(学校にもよるが)もう少し典型題が多い
- 難関校・最難関校を目指す人は今回の(やや捻った)問題の特にレベルAなどを苦もなく解けるように訓練を積んでいってほしい
本家のサイトで詳しい難易度が公開されています。また、[1]〜[4]までの解説が無料配信、[5]以降は有料で配信されています。
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